マクローリン展開からの逸脱

x=0の近傍で微分可能な関数は下式に展開されるというのは高校で習った。 例えば、指数関数は となるが、 この分母を細工して、項を追加した場合はどんな関数(陽な表示)になるだろう? 式の変形でこうなるのがわかる。 では、これはどうか? 受験数学的だけ…

有理数の数え上げの数列

カントールが示したように有理数は可算無限である。q/pは1,2,3....と数え上げることができる。1対1に自然数と対応可能なわけだ。 1/1を頂点において数え上げよう。下のように分母分子に共通因子があるのに注意しよう。2/4は1/2としている。 このような共通…

ラマヌジャンの立方根展開の例

ラマヌジャンが研究のあいまに書き残した根号展開がここにある。 実際に数値計算してみみると両辺とも、0.63818582086064415...となる。 右辺を三乗しても直接に確かめることができる。 問題はどうしてこうした意想外の関係式が導出できるか、なのだけれど皆…

剰余(バイナリ)適用小数点表現に対する実験

自然数の逆数の小数点表現に対する剰余(バイナリ)適用を実験してみた。まさに実験数学の実践でありますな。 具体的な例によって説明しよう。 23の逆数を小数点以下を計算する。 1/23=0.04347826086956521739130434782609..... 循環することは見て取れる。…

サイン関数の定積分のアノマリー?

一部の数値計算マニアのあいだで知られている定積分のアノマリーをメモしておきます。大学数学で習う定積分からスタートします。 このサイン関数の積を拡張します。 このように定積分の値は不変です。 下式のように一般化できるわけですね。奇数での積を続け…

偏愛的なガンマ関数を巡るスナップショット

ガンマ関数は学生時代から愛玩対象だったりする。いうまでもなく、ガンマ関数は階乗n!の自然な拡張だ。自然数n以外にもガシガシ計算できるというちょいとサプライズなヤツであります。 先回もガンマ関数が無限積で現れた。そんな中でも下式の数値はどうなる…

無限積、再び

こちらの無限積関数は公式集から導出できる。 しかるに、符号がかわっただけの下式はどうか? これもそれとなく解ける。これは元の式でx→α xと変換し、α^4=-1とすれば導ける。 しかし、はいかがなものか。 誰か簡単化して。 そうそう、下のような無限積も可…

お正月の終わりに

ベルリンの壁曲線1 ギムナジウムの罠 花冠19 コロナワールド オミさんのクローン そうそう、より数学的に変な関数を拾い集めた本があります。希少ネタ満載ですね。 ヘンテコ関数雑記帳 作者:佐々木 浩宣 共立出版 Amazon

ガウス素数の素数定理もどきについて

先日、集計したガウス整数でのガウスの素数についての続報。 絶対値がZ以下のガウス素数の数について、ルジャンドルの推定式みたいなものを出したので、レポートしておきます。 ルジャンドルの推定式はZを超えない自然数での素数の数を表すもので、こうだ。 …

ガウス整数における素数逆数和の性向

ガウスは自然数以外の整数、正確には代数的整数を考えた。つまり、複素平面での整数を考えついた。その代数的整数は実部も虚部も整数である。 その素因数分解とその一意性を証明してみせた。その代数的整数での「素数」を世界で始めて示したわけで、それが今…

取るに足らない反復も積もれば山となる

ここの所、つとに、反復適用が大脳皮質にしみついてとれない。今のところ、次のような反復操作に病みつきであります。 xnがどうなるのだろう? つまりは、取るに足らない操作の行く末がどうなるのだろうか? 5回の反復で出現するxの関数の表式を示す。xに…

凸多面体の存在ドメイン シュタイニッツ定理の見える化

凸多面体の頂点の数 ν、辺の数 e、面の数 fとして、 (ν、e、f) をf列という。 シュタイニッツ定理はオイラーの多面体定理を含んで、下記を主張する。 整数 ν≧4、e≧6、f≧4 が与えられたとき、 (ν、e、f)の凸多面体が存在するのは、下記の3条件の成立が、必…

無限積の因数分解の挙動

次の無限積は以前も考究したことがある。 収束して極限値がある。厳密解が得られていて、美しい答えだ。 双曲線関数と円周率の意外なる組み合わせだ。 その値は、3.676077910374977720....となる。 であることに注意すれば、無限積は因数分解されて、ふたつ…

奇妙なふるまいをする関数

円周率πを用いて、次の関数を定義する。 { } はガウス記号で、小数点以下を切り捨てる。 xが4と5の区間で連続値として描画する。 周期的にくし形になっているかのように見えるが、それは計算上の手抜きである。 同じ区間を1/100刻みの離散的に計算したも…

関数的な演算子法もどき

演算子法は工学屋さんが愛好した手法であったが、最近はとんと噂をきかない。理工系書籍の棚にもそんなタイトルはついぞ見かけない。 ウィキペディアはやたら数学的なので読んでも分からないけれど引用しておきます。 ja.wikipedia.org 微分演算をDとして、…

この極限値問題をどのように解くか

いかのような対数関数でのx→1での極限値をどのように解くのがいいだろうか? できるだけ初等的に解くやり方はどのようなものか? 答えはは上記関数のグラフからわかるのだが、-1だ。 やはりロピタルの定理になるのかなあ。

スターリングの公式に事寄せる

そういえば、スターリングの公式には世話になっているが、あの級数和の極限値は知らないぞ!と朝の寝床で考えた。 級数和とは次式の無限級数であります。 スターリングの公式を利用すれば、いかにも有限な和がありそうです。 その値は 1.8798538621752585334…

zeroと無の理系的な随想

ゼロについて、それが数学的に特異な数であるのは、いうまでもない。特異点はゼロでの特性だ。ゼロ割(ゼロで除算)の不可解さそのものでもある。 特異点のイメージを複素関数Exp[Epx[1/z]]で示そう。 zは複素数だ。 この関数のゼロ点付近の偏角の変化の等高…

三角形のオイラー線を引く

三角形にはオイラー線というものがあり、重心,外心,垂心が一直線に並ぶのをオイラーが証明した。その線上で重心は外心と垂心を2:1で分割するのだという。 そういう定理を学生時分に習って、自ら証明しようとして挫折した記憶がある。 今回も証明は避け…

寝ぼけ醒ましのSolutionを求む

昨年の今ごろはマスメディアの多くの人たちが、コロナのPCR検査を訴えていた。患者数の少なさと偽陽性や偽陰性の存在を定量的に評価すれば、気休めにしかならないのは明らかだった。それに感染増大時に陰性になった人たちは一回のPCR検査で安心できるわけで…

双子素数とその延長のリンク

3と5、11と13のような対の素数を双子素数と呼び、その無限個あるとする予想は未解決問題だ。もちろん、13と17のように4離れた対もありうるし、8離れた素数対もある。 6離れた素数対や10離れた素数対もありうるが、ここではそれを無視して、2,4,8,16....のケ…

ソフィー・ジェルマン素数列を調べる

ガウスの同時代人であった女性数学者ソフィー・ジェルマンはフェルマーの大定理に 関する意義ある定理で、数学史に名を残した。 このお堅い大数学者は、当初、ソフィーを男性とみなしていたが(男性名で文通していた)、後で女性と知って舌を巻いたそうな。…

素数の末尾の数、あるいはメルセンヌ素数の最初の数の頻度

ベンフォード分布は至る所にあるようだ。 メルセンヌ素数は現在のところ51個判明している。手始めにその最初の数字がどうなるかをWikiから抜きだしてみよう。 Mpとあるのが素数と判定された素数だ。いわゆる発見された最大の素数はメルセンヌ素数であること…

素数で出現する数字の頻度

あまり本質的な疑問ではないが、素数で出現する数字の頻度が気になった。 例えば、最初の100個の素数で、「1」を含まない素数はいかほどであろう。 赤字の数が「1」を含まない。54個ほどある。 なぜ、このようなことを調べだしたかと疑問を持たれる方もいよ…

円周率の中の数字999999999は何桁目にあるか

円周率の小数点以下の数字のなかに数字出現を探すというマニアックな計算数学の分野というか、ホビーがある。アンチキリストの象徴になる数字「666」が小数点の何番目にある、ようなホビーであります。ホビーというより数秘学でしょうかね。 自分も9の系列…

ギルブレイスの予想( Gilbreath's conjecture)を賞玩する

素数における未解決な予想としてはマイナーなギルブレイスの予想とは、素数列に対して特殊な階差数列を並べたときの出現するパターンに関するものだ。 特殊な、とは階差が負になったら正にするという操作が入ることだ。パターンは下図をみればおわかりになる…

4次の同次方程式の閉曲線の素行を調べる

前回にも登場した方程式ですが、上の同次方程式の形成する閉曲線を調べてみました。 ここで a>0 は正です。 1)係数bの影響でどう変形するか 2)面積の値はどうなるか が調査のポイントですかね。 以下では、a=1 と固定してますので、あしからず。 平面曲…

正五角形に外接する円以外の閉曲線の例

史上もっとも閑暇に恵まれたGWにも関わらずろくに外出もままならない。なので、灰色の脳細胞もたるんでロクな問題創造もできない。その一例として、「正五角形に外接する円以外の閉曲線の例」を残しておきたい。 もちろん、正五角形は円をもって最単純な外接…

リサジュー曲線の三次元化の変奏曲

リサジュー曲線は三角関数で構成される。リサージュ図形とも呼ばれる。 xがCosで、YがSinで関数化され、媒介変数で生成される。二次元平面内で様々な曲線(閉曲線だったり開曲線だったり)が再生可能だ。周期関数なので一定の枠内で振動するのも特徴だ。 三…

レムニスケートの周囲をめぐる

数学界の帝王と呼んでも違和感ないのがガウスですが、彼が楕円関数を発見するキッカケとなったのが、レムニスケートという曲線でした。 この曲線はスイスの数学者ヤコブ・ベルヌーイにより発見命名されています。 デカルト座標での方程式を示す。 この周の長…