2022-01-01から1年間の記事一覧

ザイフェルトのスパイラルは球面を二分するか?

初等関数についで性質が知られていて応用範囲も広いのは楕円関数であろう。周期関数の一種だ。三角関数の拡張と考えることもできる。 そのなかでヤコービ関数は力学などにとく登場する。cn(x,k), sn(x,k)などの表記が使われる。それぞれ、cnはcosに、snはsin…

意表を突く定積分の系列

正接関数(tan)にまつわる定積分を余暇に計算していたら、意外な顔をみせたので書き留めておきます。はじめの一歩はこの定積分。 二乗の差はもっと面白い。 だが、しかし、柳の下に泥鰌はいない。三乗ケースは収束しない。 このように変形すれば、計算はで…

完全立方体へのアプローチの覚書

今はなきマーチン・ガードナーによれば、完全立方体は未解決の数論問題のなかでも悪名が高いそうであります。問題自体は簡単そうだけれどもレオンハルト・オイラー以来、大きな進歩がないという意味でしょう。解は見つかっていないけれど、非存在であるとい…

宇宙の素粒子の数の見積もり式の一つ

よく自然科学書に全宇宙の素粒子の数とかいう表現がある。自分が最近、見かけた式は「ディープラーニング」の解説本の注釈にあったものだ。 なにかしら数学的に禍々しい表現ではないだろうか。 同書では「一説によれば」という但し書きがついているが、この…

素数の相乗平均にかかわるある極限のゆくえ

自然数の相乗平均は定義から、 スターリングの近似式を代入するとおおよその大きさが知れるわけだ。 あとで比較する素数の相乗平均との兼ね合いでnで除しておこう。 1/e=0.367879.. となる。これは一種の極限値といえる。 うえに見習って、次の素数積の相乗…

続 ベルヌーイ数を巡っての堂々巡り

ベルヌーイ数を再び、故あって考察する。ベルヌーイ数の具体例は下表だ。 なぜかというと、重要な数なのに出現パターンが読めない不思議な種族だからだとしておく。 nが奇数では0となる。これも変だが、n=1は例外だ。 nが大きくなると仮分数になってくる…

レンストラの数列 43で打ち止め

初期の計算機数論の帝王レンストラは幾多の数論の探究成果を残している。 wikijp.org この不思議な数列もその一つだ。x43ではじめて整数にならならないのだ。 その検証をやろうとしたのであるが。 はじめの15個だ。 2, 3, 5, 10, 28, 154, 3520, 1551880, 2…

ベルヌーイ数を巡っての堂々巡り

ふつう、ベルヌーイ数Bkの定義は下式のような母関数めいた定式化がなされる。 どのような数値になるかと云うと下表が最初の12個の値。いずれも有理数だ。 あのクヌース先生は12番目で奇妙な数字になっていて、シンプルな表現の期待は消し飛んだとのたま…

Game「ヒット&ブロー」の考察(draft)

筆者は面倒くさいゲームが苦手であります。人から依頼されて「ヒット&ブロー」について、頭が回らないうえに気の染まない考察を行いますので、間違いにはご容赦いただきたい。 4つのポジションに割当てられた色を交互に推測するゲームです。6色から異なる4…

超越数の王者と女王の子女の序列

超越数の王者と女王とは、eとπのこと。どちらがどっちかはここでは議論しない。 果てしない論争になると思われるからだ。 超越数の王者と女王の子女とはeとπの初等演算から生成される数値類のこと。 この二者が代表だ。 どっちが大きいのとかいう問題はご存…

気散じの正三角形の高次方程式

昨日の続きです。 ガウス平面上の正三角形の頂点をゼロ点とする高次方程式の気散じの計算です。 はじめの一歩は下の正三角形の頂点を解とする三次方程式を確認します。 答は、ご存知の円分体の三次方程式 では、各辺の中点を頂点とする内部にある正三角形を…

気散じの五芒星の十次方程式

どうも高温下と多湿化と高齢化のせいで、数学的な集中力が低迷気味であります。形而上学的夢想ならまだしも、数学的な夢想はこの時節キツいです。 本日は気散じの計算努力を書き残します。 代数的な方程式は複素平面での点となります。複素平面の点群を与え…

同じ外接球内で表面積最大の正多面体は?

プラトンの正多面体、すなわち正四面体、立方体、正八面体、正十二面体、正二十面体が、同一の球に内接するとしよう。球の半径は「1」としておく。 どの多面体が最大の表面積であろうか? 言い換えると、外接球の面積に一番近くなる正多面体はどれか? 正四…

フェルマー大定理にちょっと類似な事象の準初等的証明

20世紀後半にワイルズにより解決されたフェルマー大定理は nを2より大きな自然数とするとき, 方程式X^n+Y^n=Z^nは0とは異なる整数解をもたない. というものだ。 ここでは、その複素数版の制約事項付きの証明を考える。証明といっても疎かかつ準初等的な流…

ビジュアル化のためのコラッツ予想の負数への拡大

コラッツ予想については風変わりでアマチュアにも楽しめるので、何度か議論計算している。 今回は負数のコラッツ予想の拡大とその応用としての平面ビジュアルを探索したので、お伝えする。 コラッツ予想の振り返りから、 すべて自然数nについて、下記操作の…

ある定積分の不条理な解体

この定積分は数理計算愛好家によりよく引用される。3種のタネ本で見たことがある。 左辺の対称性と右辺の妙味が関心を惹き付けるようだ。 それをやや一般化して、k:自然数での定積分の結果というのも当然、関心を呼ぶ。 実は、これも数年前に計算して一覧…

カッコいい不等式の領域図

こんなものにカッコ良さを求めるのは間違っていると思いつつ、 この不等式を満たす範囲を2次元的に図示する。 xとyが0とπの間でなら、それほどのこともない。 しかし、πと3/2πではこんな感じになる。3/2πに近づくと計算精度が落ちて、なんだか構造が見え…

いくつかの小題 

(小題:その1) このような自然数の逆数の和(いつものネタ)を考えてみた。 腕に覚えがある人はたやすく下式を導けるだろう。 しかるに、 となると難易度があがる。 どうやら、カタラン定数を知らないと出せないらしい。 www.jpedia.wiki これを用いると …

四則演算で立方根以上を計算する

その昔、珠算教室に通ったことがある。いまでも算盤は愛用している。加算しかできなのでありますが、、、。 算盤の高等テクニックの一つに開立というのがあると知ったのは、その時だったかどうか、とにかく算盤だけで立方根が計算できるとは「凄い」と思った…

マクローリン展開からの逸脱

x=0の近傍で微分可能な関数は下式に展開されるというのは高校で習った。 例えば、指数関数は となるが、 この分母を細工して、項を追加した場合はどんな関数(陽な表示)になるだろう? 式の変形でこうなるのがわかる。 では、これはどうか? 受験数学的だけ…

有理数の数え上げの数列

カントールが示したように有理数は可算無限である。q/pは1,2,3....と数え上げることができる。1対1に自然数と対応可能なわけだ。 1/1を頂点において数え上げよう。下のように分母分子に共通因子があるのに注意しよう。2/4は1/2としている。 このような共通…

ラマヌジャンの立方根展開の例

ラマヌジャンが研究のあいまに書き残した根号展開がここにある。 実際に数値計算してみみると両辺とも、0.63818582086064415...となる。 右辺を三乗しても直接に確かめることができる。 問題はどうしてこうした意想外の関係式が導出できるか、なのだけれど皆…

剰余(バイナリ)適用小数点表現に対する実験

自然数の逆数の小数点表現に対する剰余(バイナリ)適用を実験してみた。まさに実験数学の実践でありますな。 具体的な例によって説明しよう。 23の逆数を小数点以下を計算する。 1/23=0.04347826086956521739130434782609..... 循環することは見て取れる。…

サイン関数の定積分のアノマリー?

一部の数値計算マニアのあいだで知られている定積分のアノマリーをメモしておきます。大学数学で習う定積分からスタートします。 このサイン関数の積を拡張します。 このように定積分の値は不変です。 下式のように一般化できるわけですね。奇数での積を続け…

偏愛的なガンマ関数を巡るスナップショット

ガンマ関数は学生時代から愛玩対象だったりする。いうまでもなく、ガンマ関数は階乗n!の自然な拡張だ。自然数n以外にもガシガシ計算できるというちょいとサプライズなヤツであります。 先回もガンマ関数が無限積で現れた。そんな中でも下式の数値はどうなる…

無限積、再び

こちらの無限積関数は公式集から導出できる。 しかるに、符号がかわっただけの下式はどうか? これもそれとなく解ける。これは元の式でx→α xと変換し、α^4=-1とすれば導ける。 しかし、はいかがなものか。 誰か簡単化して。 そうそう、下のような無限積も可…

お正月の終わりに

ベルリンの壁曲線1 ギムナジウムの罠 花冠19 コロナワールド オミさんのクローン そうそう、より数学的に変な関数を拾い集めた本があります。希少ネタ満載ですね。 ヘンテコ関数雑記帳 作者:佐々木 浩宣 共立出版 Amazon

ガウス素数の素数定理もどきについて

先日、集計したガウス整数でのガウスの素数についての続報。 絶対値がZ以下のガウス素数の数について、ルジャンドルの推定式みたいなものを出したので、レポートしておきます。 ルジャンドルの推定式はZを超えない自然数での素数の数を表すもので、こうだ。 …

ガウス整数における素数逆数和の性向

ガウスは自然数以外の整数、正確には代数的整数を考えた。つまり、複素平面での整数を考えついた。その代数的整数は実部も虚部も整数である。 その素因数分解とその一意性を証明してみせた。その代数的整数での「素数」を世界で始めて示したわけで、それが今…