近代数学史上の同時代エポックメーキング

 近代数学の3つのエポックメーキングな発想と発見は、解析幾何と確率論、それに数論ということになろう。

 17世紀の天才の世紀の創造力の結晶である。

 そして、これらは、いずれも同時代のフランスの3人によって、為されたというのは、数学史上の奇遇と奇跡あるいは奇瑞というべきないだろうか?

 デカルトは座標系と代数を結びつけることで、それまでのユークリッド幾何学の伝統に新たな対抗的な伝統を創始した。

 やや若いパスカルフェルマーは、古代数学にはまったく存在しなかった「確率」を 賭け事から拾い出した。

 そして、フェルマーディオファントスの研究を通して、数論を書き改める。彼は素数の新たな性質を見出す。

 なんとなく、わが国の歴史小説坂の上の雲』の三人、秋山兄弟と正岡子規を思い出すのだ。

 

 

【参考文献】

 

 

 なぜ、この時代まで確率は生み出されなかったかを論じる数学史と科学思想史との混合研究。饒舌なハッキングさんもこの世にいない。

 

 フェルマーディオファントスの欄外へのが書付が代数学的数論を生み出した。

それはインターネットの安全性の重要な基礎になっている。

 

三角形の重心からの秩序

 三角形の重心から夢想した力任せの「定理」を考えた。下図のように三角形ABCと重心Gを置く。Ag、Bg、Cgはそれぞれの辺の中点であります。

 このとき、三角形ABAgをA1とする。A1の重心も定義できる。以下、三角形AAgCをA2

のようにして、6個の三角形を定義できる。

 我々はそれら6個の三角形の重心の生成する図形を調べた。

 6個の重心を線分で結合しよう。対称性からして、以下のような並びが妥当である。

A1g   A2g  C1g   C2g   B1g   B2g

添え字のgはそれぞれの三角形の重心を指す。

  その結果生成される図形は下記のような六角形(オレンジ色)となる。Gは元の三角形の重心と一致するこが証明できる。

 

 さて、この六角形の計量、すなわち、面積と周囲はどうなるであろうか?

面積は元の三角形の1/12となる。周囲の長さは1/2である。どのような三角形においても一定であることも示せる。

 やはり閉じた多角形が欲しいという願望もありそうなので、凸の六角形の結果も示しておく。

 A1g   B2g  C1g   A2g   B1g   C2g

上記の順番で各三角形の重心を連結してできるのが下図のような六角形である。

 

 六角形の面積は元の三角形の1/6となる。周囲の長さは1/3である。

これがどのような三角形においても一定であることも示せる。

 

 もう一つ追加しておこう。こちらのほうがより幾何学的定理っぽい。

 上記の6個の重心は三角形の各辺の中点から生成される三角形AgBgCgの各辺を三等分している。

 

 

【最近購入した数学書

 入門でもなく廉価でもないが刺激を与えてくれるのは確か。数学マニアは知的刺激によって駆動されるようだ。

 

解析幾何的に計算したいMathematicaユーザ向けにPolygonのコードを添付する。

 

【続】代数方程式の判別式の項数 5次方程式から10次方程式まで

前回の続きです。

三次方程式ではカルダーノの解のように2次の項を消去して、解の公式を導出します。

       

その判別式はこうですね。

       

四次方程式も同じでした。

 実はn次方程式もn-1次の項をゼロに変換できます。この操作で方程式の一般性を失いません。これは複素平面で解の総和を原点にシフトしている操作になります。

 結果、方程式の簡易化になります。この影響は甚大で、4次方程式までは解の根号による解法が実現するのです。

 なので、n-1次の項をゼロにした場合の判別式の項数を出したいというのが、この続報です。

 前回は計算限界だった10次方程式の判別式の項数もカウントできました。

    1, 1, 2, 6, 19, 76, 320, 1469, 7048, 35233

三次方程式の判別式の項数は2項でカルダーノの解の立方根内のものと一致します。

これを対数グラフにしましょう。

    

前回の結果は9次方程式までで、1, 2, 5, 16, 59, 246, 1103, 5247, 26059でした。

比較グラフです。オレンジの線が今回の結果です。

 

 

 

代数方程式の判別式の項数 5次方程式から9次方程式まで

 代数学は方程式の解法の探求だといったとしても大過ないだろう。

義務教育では判別式Discriminantという多項式二次方程式で重要であることを習う。

         ja.wikipedia.org

 

 次の三次方程式ではどうなるのか?

     

     

4次方程式も出しておこう。いずれもn-1次項が縮約されているのは注意しておく。

     

 

 これが次のような5次方程式でどうなるかを提示しておきます。

                 

判別式の具体な姿はこうなる。59項ある。

 一般的な4次方程式は16項であり、三次方程式では5項である。二次方程式は2項であったから、半端ない増え方であります。

 2,5,16,59,246......   となる。

 ここでは9次方程式までの判別式の項数の計算に徹する。

1, 2, 5, 16, 59, 246, 1103, 5247, 26059

まで計算できたが、10次は未達(2時間計算しても)であった。

上記の範囲においても指数関数以上に項数が増大することがわかる。

 

 

 ところで、この数列はSloan数列プロジェクトに登録されているだろうか?

ありました。

A007878   Number of terms in discriminant of generic polynomial of degree n.

 

 2,5,16,59,246までであれば、下記とも一致するそうだ。

A087949   G.f. satisfies A(x) = 1 + x*A(x*A(x)).

 

 

【参考文献】

 

2次、3次と4次方程式の解の曲面

 最近になって代数方程式の一般解を鑑みる機会があった。ここでの代数方程式とは、二次方程式、三次方程式、四次方程式のことを指している。

その実の一般解のふるまいをここでは解局面として表示して比較したい。

 二次方程式から開始しよう。

     

この解は義務教育で習ったとおりに下記の2根でありました!

  

これはuとvの二つの独立変数からなる曲面の式と見なせる。

 実(根号内がゼロ以上)ならば、三次元空間で表示できるわけだ。しかも、二つの曲面を同時に描画できる。二葉の曲面がこの実の二つの解に相当するわけだ。

 

 というような2次曲線で接合した曲面になるわけであります。接合線は重根になります。

 同様に三次方程式の解は、学校で習った人は知っているように、下の3つの式となる。カルダーノの公式であります。

 これも実根が3個あるという条件であるなら、三次元空間に一挙に描画できる。

三個の曲面が接合している。

 三枚の曲面が原点あたりで接した配置になっている。u,vの第2象限あたりは三枚が重なるようだ。接合部は重根の集合だけれど、二重根と三重根の場合があるので、多少入り組んだ線になる。

たぶん、面上の白い線は特異点の集合で三次曲線になっているのだろう(ほんとかな?)また、白線より右側は3実根がある領域でもある(判別式が正)

 

 しまいに、四次方程式だ。一般性を欠いている。二次と三次の項を略したので。

          

この4つの解を計算するのだが、根の式は一つだけ下に表示する。

 

 この4つの曲面を例示しておきます。見ての通り、実の2根までで同時に実の4根は存在しないようである。

これらはいずれも、-20<u<20  -20<v<20 での計算結果でありました。

 四次方程式に関してだけ、つけたし計算をしておきます。

このパターンで3次の項を追加したケースの曲面です。

      

 上記の整然とした曲面のつながりが複雑な接合に変容しているのが見て取れます・

グレーゾーンは計算不可域です。2番目のビューでは4実根の存在がうかがわれます。

 

【参考文献】

 

 

 

バエるグラフ、Hoffman Singleton グラフ

 ホフマンシングルトングラフはグラフのなかでもキャラだちしている(と思う)

でも何故か、遠景のほうが拡大したイメージよりカッコいい。

ja.wikipedia.org

 比較してみよう。

 

 

 

 小さいイメージのほうが断然、ばえる。見栄えする。

 

ちなみに、最大にバエる特殊なグラフは、頂点162。辺が4536もある Local mclaughlin graphだろう。

自分のマシンでは計算できないが、最大にバエるのはこちらのWikiだ、

fr.wikipedia.org

 

 今回判明したのだが、フランスは数学大国だね。特殊のグラフの多数のアーカイブWikiにあるわ! 英語版はそりゃ大量であっても当たり前だけどもフランスは人口が日本より少ないのにも関わらず、この豊穣!

 

fr.wikipedia.org

 

 

 

ただの僥倖かな

 Hardy Littlewoodの定数という双子素数の拡張に関する定数がある。

  

ここでpはn以上のすべての素数であり、無限個での積の極限を意味する。n=6とする

自分の非力な計算機と能力では、素数を2000000個まででの計算しかできなくて

 その値は0.186614302085344364095,,,,,,,,,,となる。

 だが、如何なる偶然の仕業か! 下のような三角関数の積の極限値が異様に近い。

    

この近似値は0.186611388026708605231894491738........となる。

両方とも数学的なバックグラウンドは別物だということは注意しておく。

どうやら一致は小数点5桁までなのだが、ここまで近いケースは始めての遭遇。