剰余(バイナリ)適用小数点表現に対する実験

 自然数の逆数の小数点表現に対する剰余(バイナリ)適用を実験してみた。まさに実験数学の実践でありますな。

 具体的な例によって説明しよう。

23の逆数を小数点以下を計算する。

  1/23=0.04347826086956521739130434782609.....

 循環することは見て取れる。ここでは無視して、各位の数字の2の剰余を計算する。

    0 . 0  0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 1 0 1 1 1 1 1 1 0 0 1 0.....

これが目標のバイナリ小数点表現であります。

 ここから(実験数学的な)問題設定です。

 「異なる自然数のバイナリ小数点表現が同じになるケースがあるのか?」

2進表現になるので、それはあると思います。

例えば、奇数の集合でチェックするとこんな対がゾロゾロでてきます。

f:id:Hyperion64:20220410113319j:plain

 お互いに共通な約数があれば、同じバイナリ小数点表現になることがわかりました。

互いに素な自然数も含まれていますが、すべての素なペアではありません。

  素数の逆数でおなじ計算を行いました。

現時点では同じバイナリ小数点表現になるのは、{11 ,13}だけです!

いずれも、0. 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1..... となりますね。

10進表示では、

 1/11=0.09090909090909090909090909090909.......

   1/13=0.07692307692307692307692307692308......

各桁の偶奇性が同じであることはわかる。

調べたかぎりではこのようなパターンは他の素数には出現しないようだ。

 下図を補足した。

 縦軸に素数49個(3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97, 101, 103, 107, 109, 113, 127, 131, 137, 139, 149, 151, 157, 163, 167, 173, 179, 181, 191, 193, 197, 199, 211, 223,227, 229)までの素数の逆数に対して、小数点表示を行い、それぞれの桁をバイナリ表示(0は白□、1は黒■)としてまとめたものだ。

f:id:Hyperion64:20220415130910j:plain

 ある種のパターンが見え隠れしているようだ。

 でも、これが何を意味するかは実験数学の限界で、ようわかりません。

 

 

 

  【参考】 物理屋からみた数学屋さんの有難みの愉快な講話


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