2023-01-01から1年間の記事一覧
前回の続きです。 三次方程式ではカルダーノの解のように2次の項を消去して、解の公式を導出します。 その判別式はこうですね。 四次方程式も同じでした。 実はn次方程式もn-1次の項をゼロに変換できます。この操作で方程式の一般性を失いません。これは複…
代数学は方程式の解法の探求だといったとしても大過ないだろう。 義務教育では判別式Discriminantという多項式が二次方程式で重要であることを習う。 ja.wikipedia.org 次の三次方程式ではどうなるのか? 4次方程式も出しておこう。いずれもn-1次項が縮約さ…
最近になって代数方程式の一般解を鑑みる機会があった。ここでの代数方程式とは、二次方程式、三次方程式、四次方程式のことを指している。 その実の一般解のふるまいをここでは解局面として表示して比較したい。 二次方程式から開始しよう。 この解は義務教…
ホフマンシングルトングラフはグラフのなかでもキャラだちしている(と思う) でも何故か、遠景のほうが拡大したイメージよりカッコいい。 ja.wikipedia.org 比較してみよう。 小さいイメージのほうが断然、ばえる。見栄えする。 ちなみに、最大にバエる特殊…
Hardy Littlewoodの定数という双子素数の拡張に関する定数がある。 ここでpはn以上のすべての素数であり、無限個での積の極限を意味する。n=6とする 自分の非力な計算機と能力では、素数を2000000個まででの計算しかできなくて その値は0.1866143020853443…
流体力学では複素関数Fを二次元にける流れ(非圧縮流体)のモデルとみなす。複素ポテンシャルとも呼びます。 とくにFを実部と虚部に分けて、虚部Ψを流れ関数という。 F(z)=Φ(x,y)+iΨ(x,y) 虚部Ψ=一定の等高線は流線という。流れを表す線というわけでありま…
n項の基本対称式のパターンがn個あるという前回の話の継続であります。 すなわち、5個の変数があれば、 次のような5個の基本対称式の種類がある。 今回はこれを自然数に対して適用して、素数の出現を表現するという面白半分の試みです。 例えば、自然数1,2…
基本対称式と逆数和について慌ただしく計算した結果を少数の同好の士に贈るとしよう。基本対称式とは下記のようなものだ。 五個の項が与えられたとする。 基本対称式はそこから生成される各項の対称な式の集まりだ。 このケースでは、1を含めて6個になる。…
みんなのお馴染みパスカルの三角形。 これは日本人好みの形状でもあります。なぜなら、積み重ねると富士山的になるから。 この三角形で二項係数を反転したパターンが個人的にお気に入りでした。 このところの暑さに熱のこもった頭でこの逆転三角形を眺めて、…
前回までと同じような4つの楕円と外接円の原点に対して対称な配置の問題です。しかも、どうやら、こちらの配置のほうがより基本的らしいです。 基本的であるという根拠は、計算結果がかなりシンプルになることですかね。手計算でもできるレベルといっていい…
せっかく、苦労して大量式変形の問題をマイコンピュータ君に解かせたのだから、少々関係する問題を計算処理しておこう。 一種の最密充填問題を考える。偏心率 eの関数として長方形の面積に対する緑色の部分の面積の比率を計算するわけですね。直感的にはe=0…
楕円と円の接触問題なので2次方程式の組み合わせを解くだけなのですが、これが途方に暮れるほどシンドイという解析幾何の問題をもう一度穿り返します。 下のように円を四方から同じ形状の楕円が接する問題を解きます。 つまり、下のような4楕円と位置が与…
前回の「ゼータ関数に関連する定積分にまつわるラマヌジャンの数列」をまとめると自然数kに関して、以下の定積分が成立する。 左辺の扱いやすさをみて、級数和をいじりたくなるのが数学マニアの習い性だろう。 具体的には次のようなゼータ関数の無限の交代…
いつもお世話になっているラマヌジャンの指摘から始めます。 次の定積分を考えるとしよう。 それはゼータ関数の自然数値になるとラマヌジャンは指摘した。 実際に、k=1,2,3を計算してみると 著しい事実はkが奇数の場合も成立していることだろうね。この傾…
一部の数学マニアにとって、シンギュラリティは真性特異点(essential singularity)のほうが真性なシンギュラリティである。複素関数論の世界ではおなじみだからだ。 なにを今更AIのシンギュラリティなどで騒ぐのかというアナクロな見解を自分も共有してい…
大数学者ガウスが認めた唯一の女性数学者ソフィージェルマンは、フェルマーの最終定理に関する次の定理で知られている。 2p + 1 もまた素数であるような素数 p においてフェルマーの最終定理が成り立つ ja.wikipedia.org これにちなんで、2 p+1が素数であるp…
大いなる法螺定理をここらで披露しておこう。 その経緯から、ヨハン・ベルヌーイのエイブリーフール定理と仮称しておく。 それは如何なるものか。 次の極限値を考える。 k=1は分母=0になるので外している。そして、シグマの値は発散する。 なので、log(log …
ヨハン・ベルヌーイは1697年に下のような驚くべき結果を出した。 実際にこの数値は両辺とも「1.2912859970626635404072825......」となり一致する。 右辺の美しさは調和級数と並ぶかもしれない。 その証明は下のハヴィルの本を見てほしい。 自分の注意を惹い…
前回の「連分数の極限値の逆説」の継続であります。 aとbから構成される無限連分数において、u[n]という漸化式を構成した。 下式の漸化式は解析的な解を出せる。 この解析的解は決定論的な式であるのだ。 このPとqは整数である。互いに素であるかどうかは問…
織田作之助の『青春の逆説』ではないけれど、連分数での些細なつまずきがもたらす逆説に気がついたので書置きます。青春時代の小さな傷と同じで相克に悩むわけです。 本来は二次方程式で解けるはずの連分数の単純なタイプにカオスが潜んでいるようです。不思…
xにガウス整数(M+i N)を代入して。その値がガウス素数になるかを実験してみた。 M,Nが±5の範囲でのガウス整数は121個あるのだが、上記の値でガウス素数になるのは42個と1/3程度だ。マップすると下図になる。 では、ガウス素数を生み出したxはど…
数学マニアならこの二次式のxが0から39までの整数ですべて素数になることを知っていると思います。 41, 43, 47, 53, 61, 71, 83, 97, 113, 131, 151, 173, 197, 223, 251, 281, 313, 347, 383, 421, 461, 503, 547, 593, 641, 691, 743, 797, 853, 911, 97…
√2の指数のタワーとはこんなものを指します。 この無限の極限値は2であることが簡単に示せます。 では、どのようにして2に近づいていくのでしょう。 関数型言語での道行をメモしておきます。指数関数を下記のように定義する。 そして、この反復をNestしま…
数学の公式でもっとも美しいものの一つは であろう。 今回はこの式を使った不条理な記号&数値計算です。 これを変形する。 また、 であることを用いると下の式となる。 左辺の指数関数の肩のπ/2をΘとする。 この関数のΘによるテイラー展開を行ってみようで…
三角関数の反復操作はそれだけでも前人未到の様相を見せることがある。 このような一見、シンプルな陰関数ですら、下のような不思議な症状を呈する。 アニメ版。ただし、pは下式のパラメータであり、-1から9まで連続的に動かした。
もろもろの数学本をあたっても、もっとシャロウなWeb情報を探索しても連分数というのはオイラー、ラグランジェやガロアの頃より格段に進歩しているわけではないようだ。 つまり、πやeを連分数で綺麗に表現できるとか、二次の無理数を近似できるとかPell方程…
ベルヌーイ一族は一流の数学者を輩出したスイスの家系です。その一人のヤコブは中でも特に才能豊かだった。その発案によるベルヌーイ数を巡ってちょいと計算してみました。 ja.wikipedia.org まず、その定義から。 この係数bnがベルヌーイ数の土台です。最…
西洋数学史で黄金期とでも言えるのが17世紀から18世紀のあたりでしょう。 綺羅星のごとき天才鬼才が間断なく出現してくる時代でした。 注目すべきは西ヨーロッパの国をまたがっていても彼はその研究プロセスにおいて、交流し、刺激しあい、成果を共有できて…
x^3-1=(x-1)(x^2+x+1) や x^4-1=(x-1)(x^4+x^3+x^2+x+1)の円分多項式に現れる ここのx^4+x^3+x^2+x+1の因子をとりあげて、その多数階微分=0の解がどのように出現するかを可視化してみましょう。 16次の方程式の場合、 1 + x + x^2 + x^3 + x^4 + x^5 + x^6 +…
円環についてグルグルと計算しているが、三重の円環というのを構成してみた。 通常のトーラスは2つの円の組合せだ。 三重の円環とはこれに円軌道を追加するという意味だが、どのようなものかを下図に示す。 基本となる円の半径r1 r2 、それにr3を円環上…