2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ル・リヨネのミステークみっけ!

愛読書というほどでもないけれども手元でパラパラめくる本である『何だこの数は?』(東京図書) ブルバキ派のル・リヨネのエスプリに富んだ数の辞典だ。 459個の数の711の性質について1989年当時の知識をまとめている。 「113」の項にこうある 次…

マルチトーラスの断面

トーラス(円環)の入れ子の一つであるマルチトーラスを描いてみた。トーラスの媒介変数表示はこうなる。 このvの関数部分を増殖させてみたのが、マルチトーラスというわけだ(ここだけの定義です) 1/2の等比級数的にしてみよう。こうしてもz軸の円環は不…

奇数と数寄

日本特有の美のあり方で「数寄」の美というものがある。「好=すき」のあて字だとのことだが、数寄は奇数の美であると柳宗悦がいうように、素数に秘められた美というものを考えてもイイでしょうね。 以下、牽強付会の数理的な美についての走り書きであります…

3焦点楕円の一例

楕円は二点からの距離が一定である。その拡張がn焦点楕円だ。 ここでは3焦点楕円のある事例をまとめる。 複素数zで表示する。三点からの距離の和がいつも同じということを示す。 たとえば、2 x^3 + x + 4 =0の3根は複素数である。 これら三点の解を入れ…

円分多項式と多角形

円分多項式は円分方程式を規約分解する多項式であります。こんな定義式ですね。 具体的には、nが1から18までの円分多項式はこうなります。 今回は円分多項式=0の解についてです。 これは円分方程式の解の一部なので、複素平面上の単位円の周上にありま…

4焦点Cassiniを回す

極座標表示での一般のn焦点カッシーニ曲線の式はこうなります。 今回のネタは、4焦点カッシーニ曲線でn=4であります。 ここで、曲率の二乗の式をあげておきましょう。 いつものように同じカッシーニ図形の噛み合い、絡み合いを考えます。 n=4でθ=0…

カッシーニの3焦点曲線

言わずと知れたカッシーニの卵形の続きであります。複素平面で三点からの距離の積が不変な曲線群です。 Abs(z^3-1)^2=h その三点は1の三乗根ωをベースとしています。なんとなく円分方程式と関係性があるのですね。 hを動かす。0から3まで連続的に変化さ…

くるくる回るカッシーニ

二つの同じカッシーニの卵形が接するだけで擦れることなく、回転するケースを生成した。互いにキスする一瞬だけ曲率半径が一致する、解析解はおそらくこのケースだけではないか。 回転中心間の距離は不変です。 なにかの動力伝達に使えるといいんだけど。 あ…

カッシーニの卵形にふれる

曲線で楕円とならんで人気があるのは「カッシーニの卵形」だと思う(本当?) 極座標表示ではこんな式だ。h=1.35での形状。 h=1だとレムニスケートになる。今回は卵形のほうが興味がある。 曲率の式を出してみた(曲率の二乗) これでは数式処理ソフトがなけ…

楕円の内側に接しながら転がる円

外側を転がる円につづいて、内側を転がる円であります。 長軸=1で離心率eの楕円の内側を半径rの円が転がるとする。始点はx軸の右端点です。 その時の始点の軌跡をθ(楕円と円の接点をx=Cosθ、y=(1-e^2)^.5 Sinθ)で表示したのが、 下式であります。 …

ゴリゴンシティへようこそ

「ゴリゴン」なる言葉に出くわしたのは、デュードニーの『コンピュータリクリエーション Ⅲ』だった。日本で発刊されたのは1992年のことだ。日経サイエンスの購読者は前年には読んでいたろう。 そんな昔ではない? いや、もう20年近いのだ。 Golly(び…

ベジェ曲線のアルゴリズム的生成の試み

かつてベジェ曲線機能を知ってはいても、見栄え良く図形を作る才幹に乏しいことを詠嘆しました。 誰でも思いつくのがオールズのアルゴリズムをベジェ曲線の制御点生成に適用することでしょう。これまでの蓄積の活用なわけであります。 まあ、ものは試しです…

スタインハウス関数とその図形

これまでの連続だけれどいたるところで微分不可能な関数の続きとして、以前取り上げたスタインハウス関数を選択する。 ポーランドの偉大なる数学者スタインハウスは志賀の名著『無限への光芒』のはじめに登場する。これまで同様にxとyのペアとする。xの表…

アルゴリズム多角形のデザイン

オールズのアルゴリズムにて生成した多角形デザインを御覧じろ。なるたけ人為を排してシンプルな規則だけで多角形を生み出させるようにしている。 規則はシンプルとはいえ、人類が初めてお目にかかる形状も幾つかは創造されているのでなかろうか。 また、最…

簡単な曲線の式を難しくする

これが如何なる曲線の式だか推測できましょうか? ヒントは、4つ。 θを変数とする極座標での表現である θの変域は0〜π/4である φは定数である 身近でシンプルな曲線の一部である(誰もが知ってる) 答えは「円」、四分円です。ただし、中心点は原点にはあ…

楕円のまわりを転がる楕円

同じ形状の楕円という制限つきではありますが、楕円上を転がる楕円をようやくと計算できた。 かなり時間を費やしてしまった。 下図のような原点に固定された楕円を考える。 この右はじにあたまを突き合わせた楕円があり、それが滑らずに固定楕円の上を転がる…

リーマンの微分不可能関数その2

『リーマンのフラクタル』の続き。 この有限和nの媒介変数による図形を玩ぶ。 具体的には、uを-1から1まで変化させて、下式(x,y)が描く図形であります。上式でkをk+1に置き換えただけであります。 nを1から45まで連続的に変化させた動画を作成した。…

スタイナーの円のペアダンス

19世紀スイスの幾何学者ヤコブ・スタイナーは解析ぎらいの学者だったらしい。 空間の直観能力が図抜けていたのでしょう。高度な定理を多数生産しているのは、サスガであります。 その「反転」にはいつもお世話になります。 ですが、高等幾何がイマイチの現…

リーマンのフラクタル

昨日の続きです。ワイエルシュトラスの関数とくれば、高木関数なのでしょうけど、ここではリーマン関数を取り上げます。ここで、リーマン関数がフラクタルというわけではなくイメージが似ているというだけです。 昨日のように二次元の媒介変数化して何が起き…

ワイエルシュトラスのフラクタル

数学史的にはじめて、至るところ連続だけれど微分不可能な曲線の存在を証明したのがワイエルシュトラスだった。 気の毒にも、この偉大なるドイツの数学者は、中年すぎまでギムナジウムの教師に甘んじていた。 さて、肝心のワイエルシュトラス関数だ。 その定…

コラッツ予想の図示から

コラッツ予想は幾度か触れたけれど、自然数を与えて偶数なら2で割り、奇数ならば3倍して1を足す、これを繰り返せば「1」となるというのものです。まだ未解決です。 仮にこの操作をコラッツ操作と呼んでおこう。 結果の表示に先日、修得したTreeプロットを…

直角三角形に同伴する正三角形

スモークマンさんのご要望にお答えする。 このブログへのコメントに引用されたづけ問題に関して、です。 図のような円の直径を底辺とする直角三角形があり、その斜辺以外の二辺に正三角形がある。その辺の長さは直角三角形のそれと同じとする。 2つの正三角…