2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ハイパーインフレーションの副産物か:ハンガリーの天才

物理学者のファインマンはどこかで、天文学的数字などという表現は古い。いまや財政学的数字と大きな数字を呼んだほうがよい、とか述べていた。 日本の予算はいつの間にやら百兆円だ。財政赤字にいたっては一千兆円なので、ほんとうに天文学的数字を圧倒して…

天才の不稔性仮説

クレッチマーの古典『天才の心理学』が説くところによれば、ゲーテやモーツァルトなどの天才が直系子孫を残していないのは、よく起きる生物学的な現象であるとする。しかも、その家系の滅びる間際に天才が生じるためである。血が衰えるという表現があるが、…

J.W.ダン/時間の夢想

J.W.ダンの思弁的な時間論は前に書いたけれども、文学者のあいだに奇妙な波紋をよんだ。プリーストリーがその最右翼であるのは間違いなさそうだ。『夜の来訪者』など代表的な戯曲にその理論を伏線としてからませている。『Man and Time』という時間論をプリ…

藤田スケールとアメリカの過去の竜巻発生データ

アメリカでは竜巻の強度を表示するのに「藤田スケール」なるものを使っています。シカゴ大学の藤田哲也教授の研究に基づく分類です。 それに従えば、竜巻の強度はこんな感じに分類されるのです。 驚くべきことにF5ではおよそ時速500キロでモノが飛んで来…

オイラーの定数の周辺

オイラーの定数γは神秘的な数です。 調和級数と対数の極限が収束して、微妙な数値が生み出されているのです。 定義と数値はこうです。 このたび注目していただきたいのが、この系列です。 オイラーの定数と1/2の狭い区間にある意味ありげな数の連鎖です。…

続 アメリカの竜巻

2011年4月に「875回」もの竜巻に見舞われたアメリカ合衆国。被災者にお見舞い申し上げます。 この「875回」がいかにエキセントリックなものかを統計的に調べてみたので前回に引き続き、報告してみます。まずはここ12年の月次の竜巻発生回数をおさらいです…

アメリカの竜巻の苛烈

4月、5月とアメリカの竜巻(トーネード)被害が、ヒドイです。気になるのでUSの気象情報をまとめました。 参照したのは、こちらのサイト「NOAA's National Weather Service」です。 2011年4月は竜巻が「875回」と12年間で最悪の発生回数です(赤い棒)update…

裁断ライブラリーの道

長らく自炊をしてきて数千冊になんなんとするけれど、やはり長大なシリーズものを裁断するのは、それなりの決断がいるものです。 なにしろ座右の書としてきたという愛着と続けざまにそれを刃にかけてバラバラにする、そのストレスはありますね。そうした思い…

ジークムント・フロイトの映像と肉声

BBCが保存していた晩年のフロイトの映像と肉声がある。おそれくイギリスに亡命したころであろう。 既にこのころ末期ガンと闘病していたはずだ。 欧米では映像資料をアーカイブ化してパブリック・ドメインに開放している。立派なもんだ。日本での精神病理学の…

完全循環素数とは

2,5以外の素数pの逆数、1/pの小数を計算するとすべて循環小数となります。 1/3=0.333333.... 1/7=0.14285714285714285714285714285714.... 1/11=0.09090909090909090909090909090909.... 1/13=0.076923076923076923076923076923077... 1/17=0.0588235294117…

ネピアの数、もしくは自然対数の底eをめぐって

自然対数の底eは、別名「ネピアの数」とも呼ばれるのだそうです。その数値はこんな級数で 計算できるのは高校数学でならったもんです。以下、無限までの和をとるものとします。つまり、こうです。 この値は「2.7182818284590452354」となり、「フナ一羽二羽…

巨大な地震とハリケーンの近年の発生を確率で診る

前に書いたのですが、2000年以降をひとつの区切りとして、巨大な地震が増えたかの感があります。こちらが1900年以降発生した規模順の地震情報です。マグニチュードの降順にしてあります。 「ワースト11」です。東日本大震災は第六位です。表1)地…

20の性質

20の性質とか書いているが、今年の成人の性格をグチるのではない。 次のような性質をもつ自然数である「20」を記名するだけであります。1+7+7×7+7×7×7=20×20すなわち、三乗数の約数の和が平方数となるの7と20のペア以外はないようです…

コンピュータ・チップと社会集団の対比

またまた、ダボラに近い思弁でございます。 人間社会において管理組織は情報の処理をつかさどっています。与えられた情報を必要とする内部情報を参照しながら、IRやら内部の管理レポートやら監査報告などにして出力しているわけです。そういう点ではきわめ…

円周率にちょっと掠る定積分のシリーズ

この特殊な定積分を愛好する人がときおり、います。その理由はn=2になると分かろうというものです。 n=2になるとこんな美しさを発揮する。左辺の対称性と右辺がπとその近似分数になるからだ。 ところがn=1だと様子が違う。 n=3でもだ。Log2が現れるのです。 …

寸想::::想定外が待っている

なぜ規模が大きな災害が発生するのか? ハリケーン・カトリーナは最大風速150kの化けものだったし、最近、「史上最悪の」河川の氾濫が立て続けにおきている。パキスタンやオーストラリア北部の大洪水、ミシシッピ川の氾濫...。おまけにスマトラや東日…

巨大地震は増えているか?

海外の研究者のあいだでは東日本大震災発生をうけて、地球規模で巨大地震が増えているかどうか、多くの専門家のあいだで議論になっているとのNEWSがありました。 たしかに、ハイチの大震災(2010年)*1は史上空前の犠牲者(三十万人超)でしたし、スマトラ島…

USの株価銘柄サウンドを鑑賞する

はじめに、マイクロソフト社さんからです。株価はこんな状況ですね。 これを左右のステレオサウンドにしたのがこちらです。 MSFT.snd 会社の状況が手に取るようにサウンドから読み取れれば、株の名人です(Joke!) でもでも、サウンドにそうした関連情報を盛…

八木アンテナの逸話その他

第二次大戦が科学者の総力戦でもあったことは十分に知れ渡ってます。なかには現代人からすると夢ものがたりのような研究もありました。 日本での典型が「磁電管」をもとにした攻撃兵器、つまり「殺人光線」の研究でしょう。朝永振一郎に代表される理研の科学…

既約格子点とコラッツ数列 ※書きかけです

これまで、シツコイくらいに既約格子点(互いに素な整数のペア)での表示をもてあそんできました。今度は、コラッツ予想を表現してみます。 コラッツ予想とは、次の操作を繰り返すとどのような自然数も1となる。そんな予想です。 xが、偶数ならば、x/2に置…

素数の差分サウンド

素数の差分のサウンド 素数列(2,3,5,7,11,13,17,19,23...)の階差をとる。 (1,2,2,2,4,2,4,2,4....) この数列から一秒間の1024個を選択して振幅を形成してやると素数の音を聴きとるまでになる。 なんとなく神秘的な余韻があるような。primesnd.snd 同様に…

ワイエルシュトラス関数の鑑賞

至るところ連続で微分不能な関数というのは、わが高木貞治やデュボア・レーモンなどが提出しています。 知名度からするとワイエルシュトラスの関数が高いです。こんな表式です。 ただし、a,bは次の条件を満たす。 もちろん無限個の和などはとれませんが、n…

サイクロイドをめぐって

サイクロイドは車輪がえがくありふれた曲線である。円周上の一点に注目すると車輪の回転につれて生成される軌跡であります。不思議なことに古代ギリシア人にはこの曲線は気づかれることがなかった。 円の半径aとすると媒介変数表示でこうなるというのは、高…

過ぎゆく夏の雲に

[Right From Thr Heart] [What Can´t Speak Can´t Lie] Kiki Dee のボーカル いずれもスローな着流しでありながら情緒あふれる。 このカシオペアのお気に入りの一番をBGMで流してよ!

数学界のポップスター マーチン・ガードナー書誌目録

あれほど一世を風靡したのですから、メモリアルのためにもマーチン・ガードナーの書誌をまとめておきましょう。 国内版を中心にまとめておきます。おいおい充実させていきます。 著書(訳本中心) 力書房編集部 マッチの即席奇術 (1958)力書房 Logic machine…