有理数の数え上げの数列

 カントールが示したように有理数は可算無限である。q/pは1,2,3....と数え上げることができる。1対1に自然数と対応可能なわけだ。

 1/1を頂点において数え上げよう。下のように分母分子に共通因子があるのに注意しよう。2/4は1/2としている。

 このような共通因子がある有理数(赤字)を除去して、互いに素な有理数を数え上げる数列がスターン数列だ。

 もちろん、カントルの可算性は共通因子があっても成立する。

    

 

 スターン数列の定義はシンプルだ。

      

かくて、n番目の有理数は f(n)/f(n+1) と表わすことができるのだそうだ。

言い換えるとnを与えれば、q/pを示すことができるものだ。

 スターン数列のはじめの90個を示す。

 0, 1, 1, 2, 1, 3, 2, 3, 1, 4, 3, 5, 2, 5, 3, 4, 1, 5, 4, 7, 3, 8, 5, 7, 2, 7, 5, 8, 3, 7, 4, 5, 1, 6, 5, 9, 4, 11, 7, 10, 3, 11, 8, 13, 5,12, 7, 9, 2, 9, 7, 12, 5, 13, 8, 11, 3, 10, 7, 11, 4, 9, 5, 6, 1, 7, 6, 11, 5, 14, 9, 13, 4, 15, 11, 18, 7, 17, 10, 13, 3, 14, 11, 19, 8, 21, 13, 18, 5, 17, 12, 19, 7, 16, 9, 11, 2, 11, 9, 16, 7

 

 スターン数列の漸化式はフィボナッチ数列と似ていて単純そうだ。けれども、フィボナッチ数列のように陽な表現は存在しないらしい。つまり、nを与えると直接f(n)を示せるわけではない。アルゴリズムで順次決めるプログラムを書くことになる。

 

 ついで、そこから生成される有理数の並びが下図となる。

 上記の有理数ピラミッドと比較してみてほしい。通常の並びによる数え上げとは異なる。

ここまでが準備段階であります。

 さて、q/pまでにおおよそp(p+1)/2個の有理数が数え上げられているはずだろう。

 これは例の6/π^2と関係があるだろうか? あるいは、数値計算の極限として円周率をスターン数列からもとめられるのであろうか?

 つまり、二つの自然数をランダムに選んだ時、お互いが素である確率が6/π^2であったはずだ。