17についてのGeminiの回答とル・リヨネのそれとの比較

知らないうちに世の中、AIに訊いてみよう、が当たり前になってしまった。 先日、難波誠の『群と幾何学』をぼんやりと読み流していたら、17について記述があった。平面を埋めるため対称性を規定する群の数は「17」であると。 さて、GoogleのGeminiは17につい…

Euler定数に関わる堂々巡り計算

21世紀まで現存していた最高の数学者の一人コンウェイは、オイラー定数について「最大の謎」と指摘していました。超越数であることに賭けてはいるが、その証明はとても難しいだろうとコンウェイ&ガイは書き残してます。 現時点でもその件に関してはなにも進…

円周等分多項式の係数の異常値みたいなもののまとめ計算

久々に興味がわく事象に遭遇したのでそれを書き記してみます。 数学が観察による帰納法から定理を導出するものでないのは重々ご承知のことであろう。その有名な例に円周等分多項式の係数がある。 次式で定義される。 自然数n(2から10)を与えて順次計算し…

ある離散数学の問題解法に向けての下準備 複素平面での交点の式

複素平面で二直線間の交点の式を導いてみよう。 複素数の対の交点Z0を求めるのだが、案外としんどい。 下記のような実部と虚部を仮定しよう。 交点は実数λとμを用いて次のように表現できる。 以上よりλとμを消去するとどうなるかが、問題の一つ目。 交点の複…

ウルステンホルムの定理の検証からのコマ

「瓢箪から駒が出る」のもじりです。 初頭数論での定理にウィルソンの定理と並んでウルステンホルムの定理がある。とはいえ知名度がかなり低いので、ここで反芻しておこう。調和級数の和を考えるとします。 pは素数です。p-1までの逆数和の分子はp^2で割り…

【続き】階乗数の因数分解のアルゴリズムとその適用

昨日の「階乗数の因数分解のアルゴリズムとその適用」の件での続報。 n!の因数分解における2の指数がn以下の最大素数に近いという件の謎はほぼ解明できたようだ(下表)。 まず、nは10の級数でなくとも成立する。つまり、n!での2の指数はn以下最大…

階乗数の因数分解のアルゴリズムとその適用

クヌース先生の『コンピュータの数学』は離散数学の宝箱のような本。 大きな階乗数n!を因数分解したいときの効率的なアルゴリズムも載っている。 例としては、100!の素因数分解はこうなります。 素数2を選んだらそのアルゴリズムはこんな感じ Floor関数は…

回転する形状の重なり(立方体version)

チョット、間が開いたけれど、重なり合う形状の追求の3次元版とあいなる。 二つの単位立方体での重なりの探求です。下図のような状況、即ち赤い立方体と青い立方体の重なりの形状変化を考えたい(それがどんな意味と価値があるかは無視して) いわゆる相貫…

回転する形状の重なり(正方形version)

一辺=1の2つの正方形を下のように配置してみよう。 原点中心の正方形をθだけ原点回りに回転した図であります。もう一つの正方形は中心をx=aに固定している。 ここで問題にしたいのは重なり合う図形であります。これをθの関数として定式化するのは難関校の…

等比級数の和を巡っての堂々巡り

特殊関数論の始まりは等比級数の和の式です。これが最重要だとする数学者もいるそうな。 こんなわかりきった関数など興味なしとする人々もいるでしょう。 だけどね、こんな反復操作するとどうでしょうか? つまり、qを等比級数の和の式で置き換えるのです。…

何がなんでも3D連続描画

座右の書である『数学公式Ⅰ』の平面曲線を眺めていたら、ムラムラと連続化への情熱が燃えた、感じがしたのでコンピュータにひと働きしてもらいました。 正葉線という種族があります。極座標表示で次式のようなものです。 nを自然数の逆数として、ちくっと描…

自然数の約数の調和平均...

ル・リヨネの『何だ この数は!』を久々に流し読みしていると「140」について、 1でも完全数でもない、最小の調和数。調和数とはその約数の調和平均が整数となる数である 例によって、このような計算で好き好んで時間を消費する暇人がおるのだと感心した。 …

二項係数の逆数和の怪

二項係数(binomial coefficients)はパスカルの三角形などで実験数学ファンの愛玩物。 自分も何回か触れている。今回のお話しも同じような内容だ。 ja.wikipedia.org 次の事実はよく知られている。 かつての自分の関心は二項係数の逆数和でした。 nが1か…

n次元 超球の2次面積 vs超立体の2次面積

画像生成AIの本を読んでいて、それらの画素が何千万次元の点として表現されていることが説明されていた。なかんずく岡野原氏の『生成AIのしくみ』ではそうした多次元空間では点の数が次元数によりそれこそ幾何級数的に増えるとあった。 そこでちょいと気にな…

新年は初心にかえってEuler定数関連のベタ計算(続々々)修正第十一条

矢張り調和級数の複素平面での実軸交点は気にかかるので、その値を求めることにしました。mは自然数です。xが実数を動きます。 前回示したように三番目の交点ははるか右側にある。mを増やすと三番目は増大する(調和級数の和なので)しかし、下の二点はほ…

新年は初心にかえってEuler定数関連のベタ計算(続々)修正第一条

前回のEuler定数関数の拡張は間違ってましたので、修正します。 mは自然数、xは実数であります。 x=0以外では下式となります。 有限のmかつ 0.1

新年は初心にかえってEuler定数関連のベタ計算(続)

前回の(有限)調和級数の続きの間です。 下のようなEuler定数の有限版のベタベタな計算です。有限オイラー的級数と呼びましょうかね。 xは実数です。対数項に1+ i xを掛けています。 x=0の時にEuler定数の定義式になります。これは自然な拡張といっていい…

新年は初心にかえってEuler定数関連のベタ計算(正)

新春を寿いでおいでのことでありましょう。自分は星状多角形の計量計算で四苦八苦している年末年始でありました。まだ、結果を出す見通しが立たないでおります。 ここは思いつきと初心忘るべからずに依拠して、オイラーの定数に関連の数値計算についてレポー…

「笑わない数学第 2 シリーズ バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想」にちょっと刺激を受けて

NHKでやってた「笑わない数学第 2 シリーズ バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想」はシンプルで学びがあった。ミレニアム問題で懸賞金つきの難問なのだとか。 BSD予想はつまりは楕円曲線上の有理点についての予想なのだ。 であるけれど、BSD予想は生まれ…

ピュタゴラス点の冒険

いわゆるピュタゴラス三つ組で小賢しい計算をしてみました。 pとqに自然数を順次入力したものをピュタゴラス三つ組と呼ぶとします。 ja.wikipedia.org これは三次元空間上の点列になる。第一象限(x,y,z>0)だけを扱いましょう。 pとqをそれぞれ1から10ま…

双子素数の分布に関して

双子素数は差分が2である素数の対を指します。 始めの10個はこんな感じです。3と5から開始します。 {3, 5}, {5, 7}, {11, 13}, {17, 19}, {29, 31}, {41, 43}, {59, 61}, {71, 73}, {101, 103}, {107, 109} 無限個あるかどうかは証明されてはいませんが…

再び、二重連分数の試み

代数や解析は記法に依存する部分があって、どのように既存の記法に基づいて書き下せばいいのか迷ってしまうようなケースは数学的思考もままならない。 その一例を示そうと思う。下記のような分数式をとる。 ここで、次のような置換をしよう。 すると次式とな…

円周率で0が十個並ぶ日

2024年11月時点では円周率は百兆桁まで計算されているようだ。 なんでも岩尾エマはるか氏という日本人女性が記録保持者なのだとか。 和算家の人々が聞いたらさぞかし喜んだであろう。 ja.wikipedia.org ここでは小数点展開に0が十回連続して出現する…

ダブル連分数の試算

ダブル連分数とはこんな表式です。 はじまりは、 次の置換を繰り返す。 で、さらには というような無駄に反復を行う、その先にどのような未来があるかを見たいというのがささやかな願望です。 いつものように収束性や一意性には気をかけず気ままに計算します…

ファレイ数列からの和と積の夢想

ファレイ数列は数学マニアにとっては宝剣のようなものです。 五番目のファレイ数列は {0, 1/5, 1/4, 1/3, 2/5, 1/2, 3/5, 2/3, 3/4, 4/5, 1} となります。 生成ロジックはシンプルなので、説明はWikiにお任せします。 ja.wikipedia.org そこはかとない疑問か…

自然数の差分積からなる数列

群論(抽象代数)の勉強をしているとき、ある証明の一部で次式が使われているのが気になったので計算してみました。 n以下の自然数組み合わせでゼロ以外の差分のすべての積と言い表されるのです。 nが15まででの計算結果であります。 1, -1, -4, 144, 8294…

メルセンヌ素数の予測式

先月(2024年10月)に最大の素数の記録が更新されたけれど、それは常連様のメルセンヌ素数でした。 52個あるメルセンヌ素数Mpの系列はWikiにも記載されています。 ja.wikipedia.org Mp=2^p-1でMpが素数となるpに注目しましょう。このpは素数でなけ…

ガンマ関数の計算雑記

ガンマ関数のマニアがいるとしたら自分はその一人であろうと思います。 今回も暇に飽かせてガンマ関数の気ままな数値計算をしました、 手始めにxが0から3までのふるまいをプロット。 1<x<2ではガンマ関数の値は1未満になります。 従いまして、下記…

レムニスケート定数の拡張と無限積の関係の察知

前回「円周率とレムニスケート定数並びに無限積」の継続です。 下記のような関係式に思い到りました。 ここで、mとnは自然数とします。 Λはmとnを指数をもつ√2に関した無理数ですね。 こんな感じです。右辺は無限積の中身を通分しただけです。 一挙に試…

円周率とレムニスケート定数並びに無限積

円周率のウォリスの公式というのが知られている。 これお変形して次式にする。 ガウスはレムニスケートの周長を計算しています。 まず、レムニスケートの極座標での式と図形を表示。 その周長は以下の定積分に等しい。 ガウスが注目したのは円周の定積分との…