2016-01-01から1年間の記事一覧

分割数をみる

分割数( partition function)は自然数 n の分割の総数であります。オイラーの研究に始まるこの分野の研究はハーディやラマヌジャンの公式を始めとする20世紀の数学シーンでも脚光を浴び、現在でも進化中であります。 ここでは、その可視化をトライしたの…

Collatzの問題のついでに

コラッツの問題でnが与えられたとき、そのコラッツの系列のなかに何個素数があるかを計算してみた。一種の素数競争であります。例を81で示す。このコラッツ系列は{81, 122, 61, 92, 46, 23, 35, 53, 80, 40, 20, 10, 5, 8, 4, 2, 1}であります。そのなかの…

平方剰余のパターンを幻視する

m^2≡a mod p となる整数 m が存在するとき,a は p を法とする平方剰余であるといいます。これを簡易的に表現したのがルジャンドル記号です。a が p の平方剰余であるとき,そうでないとき、というものである。 ここでの主題は平方剰余の相互法則などやそれ…

Collatz予想を平面で味わう

コラッツの問題とは、xが偶数なら2で割り、奇数ならば3倍して1をプラスする。 これを繰り返してやると「1」になる。いかなる自然数も「1」になるという予想でもある。日本では掛谷の問題という人もおります。現代数学はこの予想を解けるほど成熟してい…

定幅曲線の解析的表現

ルーローの三角形は有名な定幅曲線である。 さて、チャンバーランドの魅力的な本『ひとけたの数に魅せられて』を読んでいたら、定福曲線のグループでも珍しく解析的表現できる例を述べていた。 その式があまりに複雑なのに、図形が載ってない! なので、やむ…

曲面上の有理点の分布例

ディオファントス方程式の一部は整数解が得られる。Eulerはこの分野でも多大な仕事をしたが、その一例を幾何学的に視覚化してみた。 与えられる方程式は下式であります。 三次項があるところがミソです。 二次項だけならば通例のピュタゴラス的な有理点をも…

四次元空間における相貫の図示

何を隠そう四次元空間における超立方体と超球の相貫(intersection)を3次元空間に投影しようというもの。 考え方はいたってシンプル。高校生でも理解できるはず。 3次元空間で説明しよう。立方体(一辺=2とする)はどのような解析関数セットで表現できる…

正八面体の準解析的な表現

多面体を解析関数で表す。そのヒントはやはり受験数学に求められるかな。 |x|+|y|=1絶対値を用いた上の式はひし形(正方形)となったと記憶する。とするならばである、|x|+|y|+|z|=1は正八面体になりそうである。ちなみに、3乗と絶対値の…

比例的タイリング

比例的タイリングのサンプルを示す。四角形を反復的に拡大しつつ、平面を充填するという一昨日の続きであります。 考え方はこうだ。 中心に正方形を置く。1辺=aに長さである。それをθ倍した短辺の長方形で正方形の四辺を囲う。これを比例的に反復するだけで…

正方形タイリングと数列

正方形の列でもって平面を埋め尽くす、一つの便法としては、同じ大きさの正方形を平行移動しながら配置してゆくのが、かんたんな方法だ。 これは正方形の中心を平行移動、すなわち等差数列で構成することになる。 例えば、こんなものがその変異形で出てくる…

余裕のない暇人の極限計算

高校数学で習ったかと記憶するけどn→∞で下式は「e」になる。e=2.71828182845904523536028747135... これを自然対数の底もしくはネイピア数というわけです。 14桁までなら「鮒一羽二羽一羽二羽しごくおしい」と諳んじてしまうのが数学定数マニアの悪いク…

調和級数/オイラー定数の拡張の一変種

この複素平面上のカーブが「調和級数の拡張の一変種」の計算結果であります。大したことがない拡張なので、その式を示しておく。すなわちExp(iα)をかけた自然数で通例のオイラー定数の公式を置き換えただけだ。 上のグラフはαを0〜2πまで動かした結果であ…

煮ても焼いても食えない巨大数

巨大数がHATENAでちょっとした話題であるという。まことにはてしない物語の極地といった感がある自然数。アレフNullとカントールが命名したけれど、未だ人跡未踏の数は既知の数よりも多い。 調和級数の和もその一つ。知られている事実は少ないがいくらでも計…

調和円のトッカータニ短調

調和円とは半径1/nの円の系列である(勝手な命名)n=1に始まる、それらをお互いに外接させてゆくお遊びだ。 今回は下図のように半径のみならず、接する角度もπ/nを守るように積み上げる。 複素数平面で考えてやると、次のような漸化式で円の中心座標が決まる…

久々の単位円上の調和円のフーガ(遁走曲)

原点を中心にした単位円に1/2,1/3,1/4...と半径が調和級数の円を外接させてゆくお遊びを続ける。 半径が1/nである円の中心座標はx軸からの角度の式を当てはめればいい。 実際問題としては66個の調和円を外接させると一周してしまうのが惜しい。二周目は15…

Stephen Smaleの映像

20世紀の数学スターの一人Stephen Smaleのインタビュー映像。かつての力学系のヒーローも御年86歳だ。 2000年に18個からなる「スメイルの問題」を提起した。 力学系入門作者: スメール,ハーシュ,田村一郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/05/23メディ…

セオドア・モッキンの多項式

モッキン多項式は1967年になって登場した。ニ変数の何の変哲もない多項式だ。 原点をまんなかにしたグラフを見ても、とくにおかしな様子がありはしない。原点で「1」になり、(1,1),(-1,1),(1,-1),(-1,-1)の4点で「0」となり、それ以外では正となる。実は…

ラマヌジャン(Ramanujan)に刺激された無限積の計算

ハーディのラマヌジャン本を読んでチートばかし脳が刺激された。 単純ながら無限積を調べてみよう。無限積というより無限商なのだが、変形すれば無限積だ。 1/2の等比級数の和でもって割り続けるのだけれども、その分母は「1」に近づくので、何かになろう=…

ひねもす夜すがら調和級数のアレンジ

上記の調和級数の交替積はどう振る舞うのであろう、といつもの様に寝惚けた頭で考えた。厳密な分数で手計算すると、こうなる。グラフ化するとどうやらバイファケーションするようだ。力業で計算し続ける。10000回ほどの繰り返し計算を行った。 3.59917385289…

HardyへのRamanujanの手紙から

このほど訳本が発売されたばかりのG.H.Hardyの著書『ラマヌジャン』(丸善)をひもといている。副題を「その障害と業績に想起された主題による十二の講義」とあり、数学的業績に関する本格的な紹介と解題になっている。 G.H.HardyとRamanujanの遭遇は20世紀…

著名なる数学者のケンミンショー

三上義雄の和算史である『文化史上より見たる日本の数学』をパラパラ読みしていたら、「数学者の地方分布」なる節があった。 三上は江戸時代の和算家の出身地を総括している、その論説によれば、かくのようであるという。 和算は実利的精神の勝った土地に栄…

ローレンツ・アトラクターをちょっとダケ拡大視してみる

ストレンジ・アトラクターの代表であるローレンツ・アトラクターを描画してみよう。 解像度は低い。 ローレンツの微分方程式は単純ながら3元の非線形である。 解像度を4倍に、色彩をブルー系にする。 2つの特異点の周りをグルグル回りながらも、お互いに…

反復分数の数値実験13

以下の反復分数の極限を考えてみるとしよう。 分母と分子を別々に極限計算するならば、次式がこの極限値となりそうであります。一見、この結果は正しそうな感じです。本当でしょうか? クソ真面目に20回くらい反復してみるとエヴァの使徒みたいな〜。これ…

ちょっとしたメモ

複素数α、β、γに囲まれた三角形の面積は下式となる。 Conjugateは複素共役、Absは絶対値を意味する。 これより夢想する。三点を表すα、β、γがいずれも有理数であれば、その三角形の面積は自動的に有理数になることを式はもの語っている。 例えばであります。…

調和級数の偏愛的変異型

自分の愛好する、もはや偏愛的といってもいい、調和級数の変異形を数値計算してみた。ここでは、虚数方向に分母が拡大するパターンを取り上げる。 n=100までだと 1.06672- 4.51556 I n=1000だと 1.07567- 6.81361 Iどうやらゆるやかに拡散していくようであり…

久々の複素数の初等幾何

今夜は久ぶりの複素数の初等幾何的応用であります。はじめに2つの三角形複体の計算結果をあげておく。 この2つの三角形複体は同じ原理のセットから生成されている。 1)三角形の内分点(内分比t)による分割 2)1)の反復適用 三角形の内分点による分割…

本格探偵小説とエウクレイデスの関係

エウクレイデス、あるいはユークリッドの『幾何学原本』は西洋では聖書の次に売れた書籍ということになっている。 ところで、本格探偵小説(ミステリー)との関係を指摘したい。 エウクレイデスの原本は、数学の論証スタイルを決定づけている。公準、公理、…

n進法での回文素数の競争

2進法での回文素数と10進法での回文素数とでは異なる。ちなみに回文素数とは素数の数字を反転した場合にも素数になるものをいう。10進法では11、131などだ。 どのように異なるか、を腕力で計算してみよう。 2進法から10進法まではじめの100…

エマープの探索

エマープとはemirp、つまり、素数(prime)でその数字を逆転させても再び素数となる数をいう。これはwikiにも出ている。それがどんな分布で出現しているか、可視化してみよう。例えば、2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 31, 37, 71, 73, 79, 97, 101, 107, 113, 131, 1…

テープリッツ行列値からなる数列の和の極限予想

テープリッツ行列とは対角上の数値が同一である行列をいう。数値計算法で重宝する。 こんな形状である。 これは一行目と一列目が(1,2,3,4,5)の場合だが、(1,2,3,4,....n)を ToeplitzMatrix(n)として、行列値の逆数を考える。まず、行列値はこんな交替数列…