2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Sin Fractal サウンド

Out.snd かつてTheodore W.GrayとJerry Glynnの本『Exploring Mathematics with Mathematica』という怪著があった。Theodore W.Grayはイグノーベル化学賞を受賞した。元素のアプリや著書で名を上げている。 この書籍けっこう怪しげですっとぼけた数学書であ…

天空の円周率

『天空のパイ』などとシャレたタイトルの自然科学書がございました。円周率πは実在するものなのか、はてまた虚構なのか。自然界にあるのか、ヒトの観念のなかにのみあるのか。はたしてどこに円周率はあるのでしょうか? それは「ある」とか「ない」とか論じ…

ガンマ関数の孤立特異点プローブ

ピカールの大定理は複素関数の孤立特異点の恐ろしさを間接的に語る。 wikiから引用すればこうなる。 孤立した真性特異点の近傍の像が高々唯一の点を除き複素平面全体を覆う ガンマ関数のあるケースで探ってみよう。原点に特異点があるわけだ。 Gamma[1/(x + …

ファレイ数列とフォード円

前回のつづきです。ファレイ数列はある規則にしたがって描くと互いに隣接する円になります。 その規則はいたってシンプルです。 ファレイ数列の分数をp/qとします。 (p/q,1/(2q^2))を中心とする半径1/(2q^2)の円を勤勉に描きこんであげるのです。 結果をみ…

ファレイ数列のダイヤグラム

ファレイ数列(Farey series)の続きです。 ファレイ数列は上記のような既約分数のつながりです。この隣接する分数間には絶妙の関係があるのですが、そこはWIKIなどをご参照ください。 ここは前回論じたこれらの分数の(x,y)=(分母、分子)としてやることで、…

ファレイ数列とGCDの関係

ファレイ数列とは次のような数列です。 これには面白い性質がいろいろあります。隣り合う分数の分母子をたすきがけすると等しいとか。数学史的にはファレイはイギリスの地質学者だったが、この数列で名を残したことなどです。 それはWIKIでご覧ください。 ht…

自炊の本棚その5

いきなり「其の5」になってます。これは「その後」に韻を踏んでいるのですけど。 ここで、ほぼ7000冊の裁断本の世界の体験談をシェアさせてもらいます。 7000冊といっても新書と文庫が半分です。とりわけ古い文庫は紙が黄ばんできてます。埃っぽく…

人口の歴史から考える「イマここに私がいるわけ」

イマこの時を含めて、これまでに何人の人がこの世にいたか? もとの疑問は、なぜ、なにゆえ私がイマこの時代に生まれ合わせているか、であります。 歴史的人口と関係する理由を確率的に示そうと思います。 「人口の総数」と「私がいる」ことには、関係なさそ…

カート・ヴォネガットの映像

今はなき心優しきニヒリストの肖像。 アメリカ文学の良き時代の星だった。

奥州藤原氏のミイラ

平泉が世界遺産登録に決まりそうであり、東北地方に片思いの小生としてまっこと喜ばしい。 前にも「ザビエルのミイラ」で触れたけれど奥州藤原氏の清衡、基衡、秀衡、泰衡の遺体のミイラ化の由来の謎が気になるのです。 泰衡は頭だけ、清衡、基衡、秀衡は全…

中谷宇吉郎の地下文明論

雪の博士として知られる中谷宇吉郎に『地下の文明』という随筆がある。師匠の寺田寅彦の随筆の『天災と国防』を受けて、戦後に書かれた。 空襲という大きな戦争体験は、寺田の先見性を裏付けたと中谷宇吉郎は言う。 実際、太平洋戦争後期は日本中が穴居生活…

東京物理学校

東京物理学校の名は漱石の『坊ちゃん』で早くから知ってはいました。このほど建学の物語を読み、いろいろと思うところがあったので、書き留めます。 東京物理学校は今日の東京理科大学であります。 東京物理学校は明治14年に21人の理学士によって建学さ…

最大公約数ショー

最大公約数(GCD)を覚えているならば、少しは興味をもってもらえるかも知れないです。(x,y)の格子点=自然数の組み合わせを考えます。 GCD(x,y)=1となる組み合わせだけを点として描画します。 GCD(x,y)=1 範囲を100まで拡大 次…

マーチン・ガードナーを讃えて【再録】

一周忌である。2010年5月に瞑目されたマーチン・ガードナーの業績を私の知る範囲でまとめおくことにしよう。 なんといっても、自然科学の啓蒙書(こういうふうな表現は古いのだそうだ)として燦然と輝く名著は「自然界における左と右」だと思う。化学、…

4月上旬までの余震再集計

東の大地の鳴動は止まず。余震の再集計を止むに止まれず行います。*1 東日本大震災に関わる余震を概観します。前回までと同じ範囲での余震の頻度を集めています。。*2 これまでの余震の予想以上の長期化は、M=9は日本人にとって未体験な天災であったことを痛…

とある極限の求め方

気をまぎらわせるには、数式をいじくるに限る。とりわけ無限についてあーだこーだと式を弄ぶのは、よい気散じになります。 こんかいのテーマ極限はこれであります。収束性のチェックは省きます。 正攻法では解けそうにないのです。 n→無限で考えるので、1/n…

食料価格の状況

FAOの4月の発表によれば、食糧価格の急激な上昇はいっぷくした観がある。そうは言っても安心はできないようだ。 http://www.fao.org/worldfoodsituation/en/ 3月の東日本大震災で、その安定は消え去る予感がある。なにしろ日本の食糧自給率が下がるのは明白…

インキよ、お前もか!

印刷用インキの製造ナンバーワンである丸善石油化学の被害が話題になっている。なんと回復に一年かかるとか。 http://www.j-cast.com/2011/04/06092340.html 印刷業界は戦々恐々の呈である。 在庫が尽きれば1年あまり仕事がない。それこそ干上がってしまう…

日本の火薬小史

群馬県高崎市岩鼻は日本の火薬発祥の地として知られる。戦前まで陸軍岩鼻火薬製造所があった。そこが製造の現場であった。危険な製品の製造はもうないか、もしくは他の場所に移っているようだ。 それでもここには関連企業の日本化学工業(戦前の日本火薬製造…

飲食店の現存在分析【タイトルのみ】

多数の飲食店が当初は売れても、やがて立ち行かなくなることが多いのは何故か? 飲食店経営に関わる無意識層にメスを入れ、現存在(ダーザイン)に立ち入ることにより、店の存在様態に生じる亀裂を分析する。 はじめに「店の存在」とは何かを論じることが妥…

日本よ、甦れ!「原子炉廃炉の困難さを克服するには..」

NHKスペシャル『原発解体 〜世界の現場は警告する〜』(2009)をご覧になった方はご存知であろうけど、すでにヨーロッパの原発先進国は寿命となった原子炉を廃炉とする処理を進めている。そして、例えばイギリスでは11兆円もの税金がそのために必要とさ…

あるシャーマンの写真

極北の狂気とも呼ばれる「シャーマニズム」は日本列島に住む私どもと無縁ではない。 卑弥呼の「鬼道」はそれとなくシャーマニズムの気配があるし、沖縄などの南島のユタは明確にシャーマンであった。北海道アイヌのシャーマンである、イムバッコは精神科医の…

「水」に関する文献をみて考える

身近な存在ながら重要このうえない「水」。なにか気になってしょうがないこの頃なのですが、どう語っていいか戸惑うばかり。 そんなわけで(どんなワケだ!)水についての問題意識の所在を問う=文章化するために、読みたいと思ってかき集めている文献をタラ…

関東圏周囲を含めた東日本大震災の余震の集計

3月10日から31日に至る東日本大震災の地震回数の集計です。1)地震直接被災地での日別集計 2)関東甲信越地方での日別集計 栃木県が震源の地震が意外に多く、11日の本震では犠牲者が一名でています。 3)上記1)と2)の日別の推移対比(縦軸:発生回…