ガウス素数の素数定理もどきについて

 先日、集計したガウス整数でのガウス素数についての続報。

絶対値がZ以下のガウス素数の数について、ルジャンドルの推定式みたいなものを出したので、レポートしておきます。

ルジャンドルの推定式はZを超えない自然数での素数の数を表すもので、こうだ。

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 今回の課題は具体的にはこうなる。

 絶対値がZを超えないガウス素数をnとすると{Z, n}として下のような推移となる。

{1, 0}, {11, 128}, {21, 348}, {31, 652}, {41, 1036}, {51, 1508}, {61, 2080}, {71, 2696}, {81, 3388}, {91, 4176}, {101, 5016}, {111, 5872}, {121, 6864}, {131, 7880}, {141, 9012}, {151, 10176}, {161, 11432}, {171, 12736}, {181, 14060}............

 

 分かりづらいので散布図的にグラフとする。縦軸はnの対数であり、横軸がZだ。

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 明らかに何らかの規則性があると推定できる。

ここでヒントになるのが自然数における素数定理だ。

 一挙にガウスのような素数定理の表式の導出は難しいようだ。

ここではルジャンドルのひそみに倣って代数的な式で近似式を出してみた。

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 絶対値がZ以下の素数の数のいい近似になるのが、下図のグラフで見て取れよう。

青い点が原データで黄土色が近似式の値だ。

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 どなたか代数的整数論の正確な適用で真のこたえを導いてほしいものだ。

 

【追補】

 ルジャンドルではなくて、ガウス素数のアナロジーで近似式ができた。

いってみれば、ガウス整数での素数定理みたいになる。

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これ結構、近似できている。

z=10000で、上式の値は23048832となるが、実際の値は23046512だ。

 実際に両者を併記する。曲線が上の式である。

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