ベルヌーイ数を巡っての雑計算(再説)

 ベルヌーイ一族は一流の数学者を輩出したスイスの家系です。その一人のヤコブは中でも特に才能豊かだった。その発案によるベルヌーイ数を巡ってちょいと計算してみました。

ja.wikipedia.org

 

 まず、その定義から。

   

この係数bnがベルヌーイ数の土台です。最初の15項はざっとこんな具合の数値になります。

 

 ぼんやり眺めた限りでは、規則正しさなんてなさげです。しかし、実に奥深い数であることはこちらを参照してくだされ。

ja.wikipedia.org

 

  上記のWikiに出ていない事項を計算してゆきましょう。

ベルヌーイ数の分母に注目してください。2,6,30,42,30........と脈絡なさげです。

この規則性は意外なものでして、下表の示すように素数だけからなります。

  

 

 この素数もランダムではないようです。nに対して下の条件を満たす素数pが出現しているとのことです。

         

 例えば、n=8  なら、2-1=1, 3-1=2,5-1=4で2,3,5が相当します。なかなかトリッキーな出現規則です。

 ここで、もう一つ、von Staudt-Clausenの定理を引用しておきます。これらのpを使って、bnが下記のように分解できるというものです。

        

pの和はすべての素因子についてです。そして、このaは整数になります。

 最初の40個のベルヌーイ数、その分母の素因子、それにaの値です。



aの絶対値の対数のプロット図である。横軸がnである。

 



 

 

【参考書】

 ベルヌーイ数の紹介に全体の2割を割いている快著。証明は懇切丁寧です。

von Staudt-Clausenの定理の唯一の解説本かもしれない。