一部の数学マニアにとって、シンギュラリティは真性特異点(essential singularity)のほうが真性なシンギュラリティである。複素関数論の世界ではおなじみだからだ。
なにを今更AIのシンギュラリティなどで騒ぐのかというアナクロな見解を自分も共有しているのであります!
それはともかく、代表的な真性特異点がどうなっているかを手前味噌的にビジュアライゼーションしてみた。
上記の関数でz=0が真性特異点として、大学数学では習うだろう。
これを次の条件で可視化しよう。
漸化式にする。
初期条件として、正多角形の頂点n個を福素平面で与える。
それらのn点各自に漸化式を繰り返し適用すうことで点の軌跡を同時多発的にトラッキングする。そういう離散数学的な可視化を行う。
正n角形は半径rの円に内接しているとして、パラメータrとnを与え、それをs回漸化式を反復適用するしよう。
次の計算例はr=1.5, n=36, s=4 の結果である。意外にも右半平面で荒れ騒ぐような軌跡だ。
正36角形を重ね合わせたもの。これはオクトパスみたいだ。足が多すぎるけれども。
この下は、r=1.2, n=30, s=5 の結果である。rが1に接近すると挙動が乱雑さを増すようだ。これらをまとめて動画にしたいと思う。
r=0.9, n=300, s=3のケースはちょっと意外な様相となる。
その系列かとも思われるのが、次の2ケースだ。
r=1.1, n=200, s=4
r=1.5, n=200, s=9
【参考文献】
こっちの字の函数論も懐かしい。