オイラーの二次式と連続する「9」の出現

            

 数学マニアならこの二次式のxが0から39までの整数ですべて素数になることを知っていると思います。

41, 43, 47, 53, 61, 71, 83, 97, 113, 131, 151, 173, 197, 223, 251, 281, 313, 347, 383, 421, 461, 503, 547, 593, 641, 691, 743, 797, 853, 911, 971, 1033, 1097, 1163, 1231, 1301, 1373, 1447, 1523, 1601

はいずれも素数ですね。この手の二次式をオイラーの二次式と言っているようです。

 これは伝説の数学コラムニスト、マーチン・ガードナーの1975年の、これまた伝説のエイプリルフールのネタと関係しています。この話題はポジティブなトラウマになりましたね!

 彼は  が整数になるという噂を4月1日ネタにしました。

 その数値は「262537412640768743.9999999999992500725972......」ですので、大当たりにちかいニアミスなわけです。これが孤立した事象でないことをコンウェイ&ガイが『数の本』で解説しています。「9個の不思議な判別子」の節です。

 ヘーグナー数なる二次体の因数分解の一意性が証明された負の整数があります。

    -1,-2,-3,-7,-11,-19,-43,-67,-163

ヘーグナーは負の場合は上記に限ることを証明しています。

オイラーの二次式の根の公式には163が現れています。

          

コンウェイたちは下記の数値も披露してますね。

 

 ここまでがイントロダクションです。同じ穴の狢を探してみましょう。いや、柳の下の泥鰌というべきかな。

まず、-19ではどうかというと「885479.777680154319497537893」となり、外れです。ほかのヘーグナー数もみなはずれ。999が出現しませんでした。

 同じく二次体で正の二次体についての結果があります。ユークリッド整域(除法原理成立)となるのが、以下の自然数だということが証明されてます。

       2,3,4,6,7,11,13,17,19,21,29,33,37,47,57,73

この数でトライアルしてみました。

こんな数値を考えるのです。



 面倒なので上記16個の福素平面でのポジションを順番に計算して、線で結んでみた。

 計算値のおおよその傾向としては、虚軸の±1近辺に群がっているようである。実軸では1近辺か。

          【TBC】

 

 

【お世話になった書籍】

 コンウェイもガイもコロナ前後であの世に逝かれたようだ。

 

 二次体についての面白くてためになる解説本として、枕頭の書です。

 二次体についてすらユークリッド整域とか一意分解性の範囲についての予想は解かれていないのだそうです。三次体以上になるともう未踏のジャングルなのでしょうね。