初等関数についで性質が知られていて応用範囲も広いのは楕円関数であろう。周期関数の一種だ。三角関数の拡張と考えることもできる。
そのなかでヤコービ関数は力学などにとく登場する。cn(x,k), sn(x,k)などの表記が使われる。それぞれ、cnはcosに、snはsinの類似物です。kは母数であり、周期に影響する。
いまから考察するのはザイフェルトの球面スパイラルであります。
半径Rの球面上の点を極座標( R, θ, Φ)で表すとしよう。z軸からの距離をrとする。
ザイフェルトの曲線は、 で与えられる。s は曲線の長さだ。kは定数で形状パラメータだ。初期値はθ=0でs=0 Φ=0だとしよう。 R=1としておく。
多少の変形の後、ザイフェルトスパイラルの( x, y, z)座標は下記となる。
k=0.3のケースを表示しておきます。
北極と南極を往復している様が見て取れる。
ここまでが前段であります。
では、球面を二分するか? 大円のように相似な2つの面が生まれるか? 本来の課題は後段です。
【2022/12/23 追記】
本稿の目的と動機だけ補足しておきます。
つまるところ、野球ボールの縫い目です。
一見、二枚の皮で合理的に縫い合わされています。その形状が自然な感じではないのですね。
例えば、その展開図を提供している下記のサイトをご覧ください。
型紙を平面上の4つの円から合成しています。いかにもという感じですね。
より自然でシンプルな関数表現を探ろうとしたのが動機です。ネットや書籍で調べた限りでは、その解析結果は存在しないようです。単純な問題なのに解かれていない!
目下のところ、関心事と数理能力があっち向いてホイ状態なので、ほかってます。球面上の三角関数で二分できるというのが初期仮説です。
ダメ押しでプランBもあります。それはカッシーニの卵形を球面に写像する。
古いケーススタディが本ブログにありますね。十年前の記事です。
誰かその形状を編み出してもらえればウレシイ限りです。
【参考文献】
数学者じゃない向けにやさしく書かれている。物性物理学者の戸田盛和は、楕円関数の応用でもあった非線形格子の波動で名を残した。
【2023/2/13 追記】
球面を等しい形状で二分する曲線を見出したので、レポートする。
案外簡単な曲線でありました。三角関数の独立変数Θのみで表現できる。
これを表示すると下図だが、野球ボールの縫い目に近い。
二分しているのは、こちらから見て取れる。