煮ても焼いても食えない巨大数

 巨大数がHATENAでちょっとした話題であるという。まことにはてしない物語の極地といった感がある自然数アレフNullとカントール命名したけれど、未だ人跡未踏の数は既知の数よりも多い。
 調和級数の和もその一つ。知られている事実は少ないがいくらでも計算はできる。巨大数といってもその影は薄い。

 「調和(Harmonic)」と名付けられた由縁はピュタゴラスにまで遡るとされ、無限に発散するが、その和が1以外の自然数になることもない。

 巨大数の観点では、調和級数の分子を取り上げても良いだろう。念のため付け加えると、分母はn!の約数だろうから素性は知れている。

すでにn=1000での分子はかなりデカイ。素数かどうかも判定できない。
   

5336291328229478504559104562404298040965247228038426009710134924845626888949
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0225021002784256328520814055449412104425101426727702947747127089179639677796
1045322469242686646888828158207198489710511079687324931915552939701750893156
4519976085734473014183284011724412280649074307703736683170055800293659235088
589360235285852808160759574737836655413175508131522517


 こんな数にどんな意味があるかは神のみぞ知るセカイ。しかしながら、マーティン・ガードナーの定理により、どんな数にもつまらない数はないという。

ちなみに分子が自乗数になるのは{1,25,49}だけであろう。

 n=1000までの{分子、分母}の両対数グラフを提示しておく。傾きはほとんど「1」になるのだがそれでも微妙な差があるので調和級数は発散する仕掛けになっている。オイラーの定数はその間仕切りにはっせいしたすきま風のようなものだ。


 オイラーの定数と調和級数に捧げられた啓発の書籍(ただ一冊)。

オイラーの定数ガンマ ―γで旅する数学の世界―

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