曲面上の有理点の分布例

 ディオファントス方程式の一部は整数解が得られる。Eulerはこの分野でも多大な仕事をしたが、その一例を幾何学的に視覚化してみた。

 与えられる方程式は下式であります。

 三次項があるところがミソです。
二次項だけならば通例のピュタゴラス的な有理点をもたらすテクニックが使えますが、そこをオイラーはブレークスルーしたわけですね。
やり方は整数論の教科書をみてもらいましょう。
 ここでは解のセットを天下りで与えます。

 このp,qが有理数であれば、上のディオファントス方程式を満たします。
ここではそのうちの整数値だけをとりあげます。

まず、x,y,zはどのような幾何形状をしているかを描画してみますね。もちろん3次元空間における曲面であります。
言ってみれば、とんがりコーンですな。

やるべきことは、この曲面上にディオファントス方程式のオイラー解がどのように分布しているかの視覚化です。
xyで辺の長さ40の正方形の枠で描きます。

だいぶ、まばらです。

範囲を拡大したものを別な視点で二つ提示しておきます。有理点がレーズンパンよりもまばらです。


頂点から円周状には存在しているようですが、かなり偏った散らばり具合です。三点ほどが群れている場所もありますな。
もちろん、有理点になるともっと稠密なのでしょうが、整数値の解は稀であるのがわかります。

【参考図書】
数学史観点でよくできた教科書。扱っているのはフェルマーからモーデルまでだ。

数学の女王 ―歴史から見た数論入門―

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