セオドア・モッキンの多項式

 モッキン多項式は1967年になって登場した。ニ変数の何の変哲もない多項式だ。

 原点をまんなかにしたグラフを見ても、とくにおかしな様子がありはしない。

原点で「1」になり、(1,1),(-1,1),(1,-1),(-1,-1)の4点で「0」となり、それ以外では正となる。

実は正値多項式の一種だが、ふかいワケがある。

1変数の場合には、正値多項式は必ず平方和として表現できることが知られていた。ヒルベルトは2変数ではそれが成り立たないことを証明した。しかしながら、1967年までその実例が知られていなかった。
 モッキン多項式がその例である。高校数学で理解できる多項式でもこんな未発見があるんですな。