2016-01-01から1年間の記事一覧

和算の秀才 和田寧の「異円」とは

下平和夫の和算史で和田寧の業績を紹介している。関孝和の弟子、松永良弼の系列に安島直円がおり、彼は共通接線を利用して円を内外接させる「類円術」を開発した。 その弟子が和田寧(1787-1840)だ。播州三日月藩士であった。多重積分法を完成、定積分表を…

こんな数列、あんな公式

数列、1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,.........を生み出す公式はなんであろろうか? これは意外にもシンプルな次式で表現できる。()はガウス記号である。n=1,2,3,...とすれば上記の数列が連綿と生成される。連続関数としてのグラフを補足して…

二進法表現による素数とメルセンヌ素数

素数の二進法表現の応用例をひとつ思いついた。 まず、素数の二進法表現での回文パターンを考えよう。回文パターンとは逆さまにしても同じパターンになる素数である。(11)2は回文素数である。(101)2も回文素数である。 ところで、メルセンヌ素数は2^p-1形式…

素数の二進法表現によるタワー

素数を順番に二進法で表示して積み立てるとスカイスクレイパー状になるという、子どもの遊びみたいな、ほぼ語るに落ちたイメージ。なもので、頂点には「2」がある。 80階建てのタワー 160階建てのタワー

完全循環素数(FullReptendPrime)の逆数の二進法表示

完全循環素数とはその逆数の小数点表示において、循環する桁数がp-1となるものです。 1/7のように7-1=6となるものを完全循環素数(レプテンド素数)と呼びます。 1/7=0.14285714285714285714285714285714....大昔のブログにおいてその一例を提示してます。7,…

素数の二進法表示に関する素朴でヘンな疑問

ガウスの暗算能力はピカ一であって、それがシバシバ偉大な定理とその証明に貢献している。平凡な数学好事家である者には定理の発見は無縁だろうが、数値計算と疑問を立てることはいくらでもできる。パソコンにより驚異的な計算力を付与された者としてはヤリ…

数理科学者フーリエと「いとしのヘニャヘニャ」

三角関数というのは素性がきわめていい。関数の素性がいいとは計算速度が早くでき、異常な挙動をしない。性格的に安定しているのでいろんな利用シーンで活躍中であるということ。 なもので、このブログで報告するような不審なパターンは、物珍しい。 数理科…

3点間の距離のあいだに一定関係のある点の軌跡について

三点 (a1,b1),(a2,b2),(a3,b3)と次式のような距離関係にある点(x,y)の軌跡の一つのケースを示す。 シンプルな例で計算図例を示しておく。単位円の上の正三角形 (a1,b1),(a2,b2),(a3,b3)を配したケースで、s=4の場合である。正三角形は緑の三角である。 計算…

指数関数からの閉曲線の面積の試算

昔むかし、こんな媒介変数の閉曲線を図示したことがあった。むろん、θは0〜2πまでを動かす。そうすれば始点と終点は一致するのだ。 かくて、こんなおむすび型の閉曲線を生み出す。この面積を計算してみよう。 この媒介変数の面積公式を当て嵌めれば、いい…

2つの異なる円を一つの方程式で表現できるか

初等的ながら奇妙な問いである。 例えば、 の表す図形は中心が(-3,-3)の円である。の表す円は下図になる。 ここからが問題である。 下図のように上記の2つの円を一つの式で表すことができるだろうか? 【なくもがなの回答】 スモークマン氏が回答を寄せてい…

各国の数学学会の開設年

少々、興味深いグローバル・ヒストリーの事実として、数学学会がいつ開設されたかの比較をしよう。数学のような実利とは遠い、しかしながら、近代文明の不可欠な礎石として重要な学問に関して、西暦で何年に社会的に組織化したかということになる。 これを実…

荒れ騒ぐ無限2

アンリ・ミショー風のイメージ 荒れ騒ぐ無限 (1980年)作者: アンリ・ミショー,小海永二出版社/メーカー: 青土社発売日: 1980/02メディア: 単行本この商品を含むブログを見る

19世紀数学史の古典

ほんとうに高木貞治の『近世数学史談』は古典の名に恥じぬ研究書であり、良質の案内書である。クラインの『19世紀の数学』と対比するといいかもしれないが、手元にないので記憶で書く。 クライン本はそ重厚さと話題の広さに比して、軽妙洒脱でありながらツ…

キテレツ関数に愛の手を差し伸べる

異形なる下式を理解しよう。 まあ、簡略化した形式で表現したほうがいいであろう。 こんな関数とは無関係だというが、不詳な子ほどカワイイという。せめて、xy平面での振舞いをみてやっておくんなせえ。x=-1に極がある。 これを避けて、-0.99から1.1の区間…

Gray Impact Scale/Analysis

雨の日の不等式の織り成す水溜り模様

puddles of inequality on rainy day イメージ生成の一助として非線形性不等式を利用してみた。原点付近での三角関数の大きさの挙動を切断したもの。不等式はイメージに下につけてある。 ややお上品に ちょっとした大作(CPU時間がかかった) Movies!

三角関数の反復操作のなれの果て

初期値{x,y}から初めて、コサインとサインの和と差を繰返してやる。 つまりはこんな感じのことを遂行してみたい。 初期値を与える。この場合は{0.2, 0.1}である。生成される諸点を線分でリンクすることを繰り返すのがここでの挑戦であります。 実は上記…

タペストリー探索の継続

この4日間、タペストリーのバリエーションを計算描画していた。結論的にはそれほど多様性はないようだ。 アウトサイダー・アウトレットアート風なのを数件展示しておこう。 いずれも下式のような有理分数式を用いているのが特徴だ。奇をてらった関数は何も…

函数論的タペストリーに引っ掛ける

前回のメカニズムをAbs[Sin( x + I y)]のような初等複素関数に適用してみた。ある種のmadnessが宿っている気配がある。

数論的タペストリーの解説

「数十万ピクセルのタペストリー」を解説する。計算原理は複雑なものではない。Modulasを計算するだけで文様が生み出せる。 こちらの数論的関数を例にとる。 x番目の素数の二乗とy番目の素数の二乗の和に対する9での剰余を計算している。 xとyを1〜1…

数十万ピクセルのタペストリー

16万ピクセルのタペストリー この計算結果に彩色しただけのこと。

同床異夢のモデュラス

複素整数の織りなすモデュラスの同床異夢 剰余という確定型での計算結果であるけれど雰囲気はカオス的である。一つ剰余値をずらすと結果が様変わりするのである。つまり、非線形微分方程式で初期値で大変動するのに似ているといえば似ている。

複素化二項係数によるロールシャッハテスト

複素化二項係数のロールシャッハテスト こんな感じで複素数を往来させるわけだ。なにが出るかわかならない。コメント力が求められる。

挙動不審な関数

三角関数から構成された単純積の関数がどういった振舞いをするかを観察してみた。その定義は下式だ。無限積を理想とするけれど、一応n=100くらいでカットオフして計算することにする。 xがどうであろうと分母の2^kがドンドンでかくなるので、結局のところこ…

ウエダ・アトラクター

Mathematicaの「EquationTrekker」を使うとカオスが容易に描ける。 ウエダ・アトラクターを描画してみた。電気工学者の上田薭亮が1978年に発表したもの。 ジャパニーズ・アトラクターという方が有名なのは、チョイと残念。

ゾワゾワの三次元サーフェス

ヒルベルト曲線は3次元空間を埋め尽くす、異能な曲線であります(フラクタル次元=3)。これを用いてゾワゾワの三次元ボディーを生成しましょう。 そのためにはBスプラインを召喚します。ベジェ曲線を曲面に拡張したものですな。いきなり、レベル5で突入し…

三次元曲面の変異型のもう一つ

はて、この奇体な形状はどのような計算からもたらされたか。曲面は代数的な媒介変数で表現できる。それほど複雑な関数から得られたわけではない。 視点を移動する。まるで植物の種子か、風車のようなものに見えなくもない。 媒介変数で曲面を表現すると応用…

三次元曲面の変異型の一つ

先月に描画してみた同次式からの三次元の曲面バリエーションでこんなのを見出したので共有する。 なにやら正の領域(x>0,y>0,z>0)に花芯のようなものが生じているのがいわくアリゲである。三次元の膨らみが原点から生み出されている。 曲面の式はこうだ。直…

ヒルベルト行列の逆行列の行列値の素因数分解の列

ヒルベルト行列はその(i , j)成分がこんな表現からなる。例えば、3次と4次ではこうだ。 この行列の出現した背景はこのwikiを参照いただくとして、ここでは先に進む。 この逆行列を考える。 面白いことに成分はすべて整数になる。3次と4次ではこうだ。 …

平方数あるいは4乗数の素数判定からのグラフアニメ

置き換えによる数論⇒グラフの可視化だ。 手順はこうなる。 1)A^2+B^2をA,Bそれぞれ同じ範囲を動かす。 2)素数判定 Trueなら「1」、Falseなら「0」 3)これできる行列をグラフの隣接行列とみなす