双子素数の分布に関して

 双子素数は差分が2である素数の対を指します。

始めの10個はこんな感じです。3と5から開始します。

 {3, 5}, {5, 7}, {11, 13}, {17, 19}, {29, 31}, {41, 43}, {59, 61}, {71, 73}, {101, 103}, {107, 109}

 無限個あるかどうかは証明されてはいませんが、きっとあるのでしょう。有名な業績はBrunの定理と定数でしょうか。

  

ja.wikipedia.org

 もとはといえば、この定数に刺激されて下記の極限Aを計算してみたくなったのがキッカケです。PrimeTnはn番目の双子素数を示します。

 

 今回も禁じ手を使います。統計的な近似です。非線形回帰みたいな邪道ですわ。

 手始めにHardy&Wrightの本にのってような近似式がどの程度再現できるかを試行しました。いわゆるπ(n)を推算します。つまり、nが与えられたときにそこまでに何個(対)の双子素数があるかですね。

 n=10000までに双子素数は1270個あります。その範囲で近似式を出しましょう。

     

こんな近似式になります。どの程度のフィットネスかというと下図をご覧あれ!

 

 まあまあというところでしょう。

本当は、πの逆関数が欲しいのです。つまり、n番目の双子素数の大凡の数値です。

 試算によれば、4416個の双子素数極限Aは5.3128442718315289276でした。

これが収束する保証はありません(Brunの定数とは違って証明出来ない)

 

【追記】

 n番目の双子素数の値を見積りましょう。最初の1200個を示すと下のようになります。

 

 ふたたび、禁じ手の非線形フィッティングを適用すると

  B式  

ここでxはx番目という意味。

これがどのくらい当てはまるかを重ね合わせます。

 

 B式が全般的傾向を近似しているとすると極限Aについて、「発散する」という推論ができます。

 

この3/2乗なる分母からなる無限積は発散するからです。

 

【参考資料】

Hardy&Wrightにはもっと厳密な導出が示されてます。しかも初歩的に。