画像生成AIの本を読んでいて、それらの画素が何千万次元の点として表現されていることが説明されていた。なかんずく岡野原氏の『生成AIのしくみ』ではそうした多次元空間では点の数が次元数によりそれこそ幾何級数的に増えるとあった。
そこでちょいと気になったのが、超球の体積はnの増大とともに減少するという事実を思い出した。
n次元の超球の体積は次のようなる。Γ はガンマ関数です。

n=10まで単位球で計算するとこんな感じですね。
つまり、n=5近辺で最大値となる。横軸は次元数です。

それ以降はめちゃくちゃ減衰します。

超体積って何なんでしょうね?
でも、下で計算しているように、2D面積は増えているんです。
というようなことは以前に本Blogで書いたことがありました。
では、二次元表面積についてはどうでしょうか?
まずはn次元球の2D面積はこうなるとしておきます。n=3で 4π^2になります。

こちらは指数的に増大してます(単位球、n=10までの指数グラフ)横軸は次元数です。

では、超立方体との関係はどうなるのでしょうか?
超球に内接する超立方体を考えましょう。2D面積を考えます。
辺aの立方体の面積は6 a^2でした。

n次元の立方体の表面積は次式です。n増大で指数的に増えるのは分かります。
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また、半径Rの球に内接する立方体の辺 aは次式で与えられマス。

n次元立方体の2D面積/n次元超球の2D面積 を計算します。

この比をn=10までを計算します。横軸は次元数です。

不思議なことに2次元と3次元がピークですね。
【参考資料】
宮崎さんの本が多次元図形の成書ですね。あまり数学的ではない。
現在はちくま学芸文庫に収まっているコクセター氏の本は幾何学っぽい本です。
多面体を正面から扱ってます。彼は最後の幾何学者でした。
コクセターの伝記も翻訳されてますね。
多面体に宇宙を感じるといのはプラトン~ケプラーみたいな伝統なのでしょう。
発端はこの本です。
何千万、何億次元で計算しているのが生成AIの学習メカニズムです。怖ろしいですねえ!



