ゴリゴンシティへようこそ

 「ゴリゴン」なる言葉に出くわしたのは、デュードニーの『コンピュータリクリエーション Ⅲ』だった。日本で発刊されたのは1992年のことだ。日経サイエンスの購読者は前年には読んでいたろう。
 そんな昔ではない?
 いや、もう20年近いのだ。

 Golly(びっくり!)とPolygon(多角形)の合成語なのだそうだ。
要するにこんな周遊コースを指す。

 碁盤目状の都市の街路(赤)を青い路にそって散歩するのだ。最初は南北どちらでも「1」街区、次は東西どちらでも「2」街区、その次は南北に「3」....こうして自然数街区だけ歩くたびに直角に曲がる。それが出発点に戻ればゴリゴンとなる。
 上の図は8のケースのゴリゴンだ。出発点に戻っている=閉曲線となることである。

 発案者のサロウズはどれだけのケースがありうるかをマーチン・ガードナーに相談した。ガードナーは8の倍数の自然数のみ、n=8kならば閉じたゴリゴンが存在することを証明した(ガードナーの定理!)
 その後、完璧な組み合わせ数の計算はドナルド・クヌースが仕上げた。リチャード・ガイも漸近公式を出している。

 このケースを枚挙するのはかなり面倒だ。
この変な形式の方程式を解いたあげく、1〜nまで並べなければならないのだから。
 

 1〜16のケースを計算して、図示してみた。

 この計算は、かなり面倒くさい。
 自然数列1〜nを奇数と偶数に分解して、それぞれで半分に分ける。和が等しいように分ける(これが原点に戻る条件である)。それらに正と負の符号を振りつける。
 できた数列をグラフ化する。

n=24のときのゴリゴンの集成である。すべてのケースではない。

かなりクタぶれた。


 より数学的な理論、例えば場合の数の計算などはヴァルディの本を参照されたい。