飲食店の現存在分析【タイトルのみ】

 多数の飲食店が当初は売れても、やがて立ち行かなくなることが多いのは何故か?
 飲食店経営に関わる無意識層にメスを入れ、現存在(ダーザイン)に立ち入ることにより、店の存在様態に生じる亀裂を分析する。
 はじめに「店の存在」とは何かを論じることが妥当だろう。(飲食)店は場所や土地ではない。そこで供される食事やサービスの総体だとするのがビジネス・コンサルの普通の見解であろう。これに屋号と「のれん」=ブランドを加えれば大体は正解とされる。ここではそうした見解はとらない。
 現存在という概念に引き寄せて定義する。店はある状況に否応なしに直面させられる。ひとたび開店して役所に届け出たら、そこから「現存在」となるが、その存在は「不安の明るい闇」のなかに取り残される。
 店舗はそもそも廃業を運命づけられている。その自覚がないままに開店すること自体が問題とされる。またその廃業へのみちゆきにおいて人の連帯が絶えず要請されていることが別個に扱われることも俎上にのせられるべきである。
「現存在が廃業へと旅しつつある存在であること」と「現存在が顧客及び従業員との真正の連帯を希求している存在であるということ」が別々なこととして、店の運営主体に生じつ問題の根源なのである。

 この現存在分析はそうした店が「状況のなかに投げこまれていながら、この状況につねに、なんらかの仕方でかかわっていく現存在の様相」を明らかにすることで、店の運営がどうなるかを占うのだ。ゴーイングコンサーンはこの現存在の様相でほぼ決まってくる。
 例えば、自分自身を喪失すると店はやがてうまくゆかなくなる。「存在意識」として、現存在と店を店たらしめるものとに乖離がしょうじるのである。
 自由連想法、弛緩療法、存在遊戯療法、ロルフィングなどの飲食店活性化につながるカウンセリング手法の理論的根拠を明らかにすることが本論の目的である...《書きかけ》