いきなり「其の5」になってます。これは「その後」に韻を踏んでいるのですけど。
ここで、ほぼ7000冊の裁断本の世界の体験談をシェアさせてもらいます。
7000冊といっても新書と文庫が半分です。とりわけ古い文庫は紙が黄ばんできてます。埃っぽくなってきます。だから捨てるなんてのは言語道断です。自炊が救いの道です。
これまでのところ岩波文庫を1200冊、「祭壇」に捧げました。わが青春の岩波文庫なのです。アンデルセン童話集全10冊やグリム童話集、スピノザの一揃い、耳袋や白文万葉集なんてのもあります。最後の本は結局読む前にpdfとなりましたねえ。
読まずに朽ち果てる本がけっこうあったりします(読書家としては恥ずかしいのですがそれが真実です)
それらを電子化すれば、そのうちに拾う神もありです。
まとめて文庫全体では推定3000冊くらいでしょう。
新書はそれこそ手当たりしだい買ったものですののなかから、推定で1500冊は裁断いたしました。岩波新書、講談社現代新書、ブルーバックス、中公新書あたりが大半でしょう。そうそう文庫クセジュも200冊くらいありますねえ。
これら文庫・新書の処理タイムは短いです。裁断から読み込みまでに1冊5分くらいです。
雑誌類は時代に取り残されることが多いので、わざわざ電子化する必要がないでしょうね。わたしもそれほど多くは取り込んでいません。せいぜい500冊くらいでしょう。あっ、かなり多いかなあ。
なんといっても自炊向きなのは単行本です。2000冊程度です。
かさばるのと重たいのとで、優先的に電子化すべきでしょうねえ。とはいえ裁断しがたい高価な本や座右に置きたい本などはありますあります。だから無碍になんでも裁断とはいかぬものなのですわ。
古い参考書や辞書るいは自炊しています。シリーズものなどもそうです。中央公論の『日本の歴史』全30巻(別冊含む)を電子化して、おおきく書棚があいた時はホッとしました。『現代物理の基礎』シリーズもそうですね。
岩波の古い『精神の科学』シリーズもそう。これいい本なのに古本屋では二束三文なのですよ。向精神薬万能の時代なので、こうした人間中心主義的扱いが古びたのは否めないのですけど残念です。
こうして資料を大量にHDにかかえると何を保有していたかを失念するのですね。これが自炊の缺點です。何を持っているかをチェックしがたい。ちゃんとした書斎があれば年中、本の背を見ているのですが、ハードディスクのファイルになってしまうとそうはいかない。
なので電子書籍のタイトルデータが年中更新しています。これは忘れてはなりません。でないと、ほんとうにディスクの肥やしになってしまいます。
それと例の本で強調した最大のメリット。全文検索です。
横断検索の世界はやはりパソコンでないと遅いです。やり方は関連書物のpdfを専用フォルダーに移して、Acrobatからフォルダー指定して検索します。
これで、フォルダー中のPDFを一括検索してくれます。即座に検索は終ならないのですが、その間別な作業に専念できます。処理速度的に数十冊が限界ですが、調べ物には超強力な助っ人であることは間違いありません!
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