2011年4月に「875回」もの竜巻に見舞われたアメリカ合衆国。被災者にお見舞い申し上げます。
この「875回」がいかにエキセントリックなものかを統計的に調べてみたので前回に引き続き、報告してみます。
まずはここ12年の月次の竜巻発生回数をおさらいです。もとにするのは下表で、
アメリカのNOAAの5月上旬のデータです。
こうした天災や事故に定番の統計分布はポアソン分布です。
それを確かめるために、月ごとの発生回数を100刻みに分けて、度数分布をみます。
読み方ですが、縦軸は月の数です。最初の棒は竜巻が0〜99回発生した月の数で、「80」回あると読みます。
度数分布はポアソン分布的な傾向を示してます。
この度数分布より、ポアソン分布のパラメータλを計算すると「0.6861」となります。
かくして、このような計算結果となります。*1
緑線がλ=0.6861のポアソン分布。棒グラフの実際の回数をよく再現しています。
今回、竜巻は立て続けに起きているので、独立的にポツポツ起きるものを記述するポアソン分布ではフィットしないかと思っていたのですが、かなりイイ線いってます。
これで準備が整いました。
問いは、「875回も起きる事態はどの程度の確率か?」です。上の表中に計算値があります。
月に竜巻が800回以上となる確率は一千万分の3です。年になおすと百万年に一回ですか。
すなわち、ほとんど有り得ないことが4月に起きたことになります。
主観的結論ですが、今年前半のアメリカ合衆国もしくは北米大陸の気象はかなり奇怪な状況にあるようです。
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*1:ここで4月の875回のデータは外して処理しました。そのほうが分布の適合度が向上するためです