ハイパーインフレーションの副産物か:ハンガリーの天才

 物理学者のファインマンはどこかで、天文学的数字などという表現は古い。いまや財政学的数字と大きな数字を呼んだほうがよい、とか述べていた。
 日本の予算はいつの間にやら百兆円だ。財政赤字にいたっては一千兆円なので、ほんとうに天文学的数字を圧倒しているのは間違いない。
 だけどそれよりも圧倒的な巨大数が歴史に登場している。それを書き留めておきます。

 赤字解消の過激な方法はハイパーインフレーションであろう。なかでも聞きしにまさるインフレーションが1945年に起きた。ハンガリーの例だ。
 実に一年で10の27乗のインフレ率を記録したのである。これは史上最凶のインフレ率である。

 有名なドイツの例と比較する。ドイツでは1921年に10の10乗のインフレ率を経験した。
これを月に直す。ドイツでは月「322%」の物価上昇であった。
ハンガリーでは月に「19,800%」の上昇となったのだ。ハイパーインフレーションは通貨にとっては壊滅的な信用崩壊である。
 ドイツの例では一日朝夕に二回給与が払われたそうだ。それを元でにして、お昼の買い物をして、夕方にも買い物をする。そうでないと翌日には卵一つも買えなくなりかねない。とんでも無い状態もあったもんだ。

 ハンガリーのインフレ率ともなると自然科学で出てくる最小の単位プランク長さ「10のマイナス35乗」などに比べても負けていない。同様なハイパーインフレーションソ連ポーランドでも起きたようだ。
 ハイパーインフレーションが起きれば、日本の財政赤字などは数ヶ月で消し飛んでしまうであろう。


 上のインフレ率のグラフはこちらの図を拝借した

マネタリズム入門

マネタリズム入門





)--------------------------------------------------------------------------------------(

さらに、おかしな説を追加します。ハンガリーの天才科学者はハイパーインフレーションの刺激で発生したというのが、それです。この財政学的な物価変動で計算能力が増大したのが、その推測的理由です。
 以下に、1945年にハンガリーの天才たちが何歳かを示します。

 ベケシ 46歳  ノーベル生理学賞
 エルデシュ 32歳 放浪の数学者
 ガボール 45歳 ノーベル物理学賞
 フリードマン 43歳 マネタリズムの代表
 カルマン 64歳 流体力学
 フォン・ノイマン 42歳 数学者
 ハーサニ 26歳 ノーベル経済学賞
 ポラーニイ 26歳 ノーベル化学賞
 ソロス 15歳 投資家
 テラー 37歳 核物理学者
 ジラード 47歳 物理学者
 ウィグナー 43歳 ノーベル物理学賞
セントジョルジ 46歳 ノーベル医学生理学賞 
 ケストラー 40歳 理系思想家
 グローブ 7歳 インテル創業者

 ソロスとグローブ以外はだいぶ、年が年ですがそこは目をつぶってください。マネタリズムの総帥であるミルトン・フリードマンが含まれているのは興味深いでしょう。

 そこで、提案でありますが、日本でハイパーインフレーションを起こせば、財政赤字が吹っ飛び、何年か後に天才がどっと輩出するので、国力が上がるかも知れないです。




ハンガリーの天才グループについてはこの本が決定版

異星人伝説―20世紀を創ったハンガリー人

異星人伝説―20世紀を創ったハンガリー人