裁断ライブラリーの道

 長らく自炊をしてきて数千冊になんなんとするけれど、やはり長大なシリーズものを裁断するのは、それなりの決断がいるものです。
 なにしろ座右の書としてきたという愛着と続けざまにそれを刃にかけてバラバラにする、そのストレスはありますね。そうした思い出の深い本ばかりが多いのであります。
 それに、なんといっても大作を切るときはやはり覚悟がいります。しかし、やってしまえば爽快です。
 書棚が寂しくはなりますが、もはや黴びることも黄ばむことも売り払うこともなくなるので、完全に自分の電子ライブラリーに閉じ込めたのですから。

 これまでに自炊に捧げてきたシリーズものを思いつくままに書き出します。それらの書の思い出のために、というと大げさですけど。


 バートン版千夜一夜物語    河出書房
 折口信夫全集         中央公論社
デュマ ダルタニアン物語   講談社
 世界SF全集         早川書房
 江戸から東京へ        中央公論社
 幻想怪奇の文学        新人物往来社
 司馬遼太郎 街道をゆく全巻  朝日新聞社
 日本の歴史          中央公論社
 仏教の思想          角川書店
 鎌田慧 日本列島を往く    岩波書店
 日本の古代          中央公論社
 スミルノフ高等数学教程    共立出版
 現代物理学の基礎       岩波書店
 谷崎潤一郎 新訳源氏物語   中央公論社
 世界文学全集         集英社
 ギリシア悲劇全集       人文書院
 モリスン アメリカの歴史   集英社
 シャイラー 第三帝国の興亡  創元社
 トーランド 大日本帝国の興亡 早川書房
 精神の科学          岩波書店
 風俗の歴史          角川書店
 芸術新潮           新潮社
 日経サイエンス        日経サイエンス

  
 こうしてみると歴史ものが多いのにあらためて気づきます。だから手元に残していたのでしょうね。
 しっかりと電子化したPDFは子々孫々に伝えてゆきたい書物ばかりではあります。

 PDF化した時にはしっかりとOCRをかけておきましょう。そうすれば資料として大きな価値がでます。