コンピュータ・チップと社会集団の対比

 またまた、ダボラに近い思弁でございます。
人間社会において管理組織は情報の処理をつかさどっています。与えられた情報を必要とする内部情報を参照しながら、IRやら内部の管理レポートやら監査報告などにして出力しているわけです。そういう点ではきわめて、コンピュータに近いです。コンピュータのCPUに似ているようです。
 管理組織は組織全体に対して、右肩上がりで肥大してゆくとされてます。管理のための管理がどうしても生まれていくからです。
 企業が守るべき法令をみてゆくと分かります。J-SOX個人情報保護法、それにセキュリティ&コンプライアンス知的財産権、PL法、環境基準その他401Kへの転換や健保などへの社会保障系の省令などなど、どれ一つとして追加補強されこそすれ緩和されている規則はほとんどありません。
これらに応じた部署部門が管理組織に追加してゆくのです。
 その結果どうなるか、管理部門の肥大はいうまでもなく、それに対するインタフェースとしての業務負荷が、とくに非管理部門の負荷が増えます。
 そうなると、管理のための管理業務という重荷を背負いながら、組織は次第に効率と機敏性が、活力が喪失してゆく傾向が出るのではないでしょうか?
 なんのために、こうした無理なたとえを持ち出しているかというと、管理機構が増大して非効率になるのが何故かを考えるうえで、コンピュータが参考になると考えたのです。

 コンピュータは高機能化しながら、コストダウンして、しかもなお高速化しています。
管理組織の肥大と非効率化と逆に進行しているのは、どうしてなのでしょう? 
 そんなの比較にならない。全く違う仕組み、カテゴリーミステークだと指摘するのは待ってください。
 その危険性は承知のうえです。その理由として、管理組織の非効率性をコンピュータが補うという、まぎれもない事実があります。管理組織にコンピュータが自然に組み込まれ、一体化するというのは、誰もが認める事実でしょう。
 情報処理はコンピュータに助けられています。けれども専門機能因子が増大するのは避けられません。特許の専門家、セキュリティの専門家、会計の専門家、契約の専門家、監査の専門家、計数管理の専門家、人事の専門家、株主対応の専門家、広報の専門家、異常時や被災時対応の専門家....。
これらの専門家が集まって会議をすることで対処しなければならないことは山ほどあります。それは定型業務しか扱えないコンピュータの出番ではないです。

 しかし、コンピュータチップにも専門機能を処理する素子が存在しています。素子の種類はやはり右肩上がりで増えてゆく一方でしょう。音声入出処理、USBインタフェース、3DのGPU音声認識、数値演算、セキュリティチップ、指紋認証、高速LAN...。それに肥大するOSとアプリケーション機能。
 やはり、増えてゆく一方ですが、それでもコンピュータの性能は向上したと断言できます。
 組織のオーバーヘッドは増えれば処理速度が低下してゆきます。ところがコンピュータではそうはならない。その違いは「同期周波数」の存在にあるのかなあと思います。いわば同じ時間帯とスピードで並列処理を行うため、相互の待ち時間が発生しないのではないでしょうか。
 管理組織において、同様なことを実現するには、専門家がシンクロしてくれれば、いいという結論としておきましょう。
 貧弱な結論ですが、それは追って増強してまいります。

[パソコンのパーツを巨大な都市空間]
http://gigazine.net/news/20090705_digital_city/

digital city
http://www.blanz.net/e_dc01.html