円周率にちょっと掠る定積分のシリーズ

 この特殊な定積分を愛好する人がときおり、います。

その理由はn=2になると分かろうというものです。
n=2になるとこんな美しさを発揮する。左辺の対称性と右辺がπとその近似分数になるからだ。

ところがn=1だと様子が違う。

n=3でもだ。Log2が現れるのです。

結論からいうとnが偶数の時には円周率を含む数値になります。

nをずんずん大きするとどうなるだろうか? n=2,4,6,8....16までの定積分の値の列です。
系列1)

 これらの列がずんずん正の側から「ゼロ」に近づいていゆくのは、このようなグラフからも推察されるでしょう。
一番上の曲線がn=1で、そのはるか下にはn=2があり、n=3は小さすぎて見えない。
この青色の面積を求める定積分なのですから、しごく当たり前であります。

言い換えると、系列1)は円周率の近似分数を求める系列になっているわけであります。
円周率の係数を1にして、見やすくします。nは2,4,6,...16まで変化させます。
分数は円周率の近似になっているわけです。上からの近似分数を与えていますね。

これは小数点表示でこうなります。かなりいい精度ですね。

 残念ながら、ラグランジェの定理より、同じ大きさの分母の連分数近似には負けます。

系列2)πの連分数の近似系列


 誤差の比較グラフです。円周率との差分を対数で表示。線で結んであるのが、系列1)の誤差
系列2)は点だけです。系列1)のほうがづんづん小さくなっているようですが、これは分母が
どでかくなっているためです。