三角錐は高さ方向に三角形が縮小しながら、頂点で点となった図形とみなすことができる。四角錐も五角錐も、それぞれ四角形や五角形がそのまま縮小しながら、点になる。
例えばの話、三角形が回転しながら、生成する三次元形状はどのようなものだろう?
そう!これが、そのイメージだ。断面を離散的に動かして生成しているので、連続ではないことを注意しておく。
以下、計算式について、補足する。凸であれば何角形でも同じ方式だ。
正方形をベースとして、回転がともうなうと座標はどうなるのだろうか?
うえの式は回転係数ωでグルグルしながら、t=1で頂点の高さhになる正方形の頂点の4つの(x, y, z)座標を示している。
気になるのがωが大きくなるとどう変形するかということだ。
下の図形はω=5で、その断面をスナップショットで合成したもの。下側は上から見下ろしたものだ。
回転係数ωをガンガン上昇させるとネジクリがドアップする(非科学的な描写)
それはもちろんだ。
いくつかを示そう。
正三角形をベースとする。ω=100からだ。
ω=2000
ω=10000では2枚の画面を示す。回転が速くて霞んでみるようだ。モーションブラーだ。刻み幅のtはいずれも0.01である
さて、表題のデモクリトスの由来だ。古代ギリシアの哲学者デモクリトスは原子論の提唱で有名だが、一流の数学者でもあった。いくつかの幾何学上の発見もしている。
三角錐は同じ高さの三角柱の体積の1/3だというのもデモクリトスの証明だ。
彼の鋭い知性を示す発言がある。
三角錐の断面をとった時、上側の断面と下側の断面の形と面積は同じである
無限と連続性に関する初期の考察である。上面と下面が同じなのにどうして減少するのだろう。こうした疑問と向き合う綿密な思考が体積計算の役に立つのは確かだろう。
今回示した三次元の図形の面積はどのように回転しようとも三角錐や四角錐の体積と同じなのだ。どのような高速回転でも体積は不変なのだというのはちょっと不思議だ。
体積は三角錐と同じだとして、側方の表面積はどうなるのだろうか?
ωに依存するのだろうが、どうなるのだろうか?
答えは次回にでも。
【参考文献】
3巻の半分以上がデモクリトスの断片だ。主著『ミクロコスモス』が散逸したのは惜しまれる。
あるいは物理学者シュレディンガーの深い自然論にも引用がある。最近になって文庫になったのは有り難い。