eのx乗 指数関数の類似物件

 指数関数eのx乗はx=0の近傍でのマクローリン展開するとこうなる。

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つまり、

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「!」は階乗の記号です。

 ここでは、類似物のマクローリン展開式から構成される関数y(x)を見つけてみたい。

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指数関数的にはなるだろう(後でグラフで比較してみる)

 

 両辺をxで微分すると微分方程式をえることができる。ガンマ関数の性質を使った。

ガンマ関数は階乗!の自然な拡張であります。

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ベルヌーイ型の一階微分方程式なので、解析解が求められる。

結局の所、解の式はこうなった。案外、複雑になりますなあ。

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 この式ともとの級数和を重ね合わせると下のようになり、差異はないことがわかる。

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 おおもとの指数関数e^xとの差異はどうなるだろう。

マクローリン展開は最初の8項がこうなる。

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 分子に2の指数がでている。

 グラフで比較してみると原点付近での振る舞いが異なる。 上が指数関数で、下が今回の物件だ。

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人から頼まれてx=2 π iの値を計算してみると0.831669 + 0.144838 Iと特徴がない。

ちなみにxを 0 から8π iまで虚数上を動かしてガウス平面での動きを観測してみた。

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 うーん、なんだかだなあ。単位円には近づいていくようだけど。

 検証はしていないが、0<α<1では、下式が成り立つのかもしれない。Γはガンマ関数で、積分は不完全ガンマ関数である。

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【参考文献】

  類体論の大家のエミール・アルティンの残したガンマ関数の本。初等関数以外では楕円関数とベッセル関数の専門書があり、そしてガンマ関数の本がある。ガンマ関数に魅了されている人の枕頭の書だろう。