岩波 数学入門辞典(2005)

 岩波書店の数学辞典(第4版)と比較すると『岩波 数学入門辞典』は読める。それなりに理解できるレベルで書かれている。
 前者は純粋数学&抽象数学のゴリゴリで門外漢には無用の長物と言えなくもないのに比して、後者は十分に実用的で教育的だと思う。
 「記数法」「黄金比」や「楕円座標」など図版もわかりやすい。文字もギッシリではなく、読みやすいフォントと行間である。
 価格帯も安いとまではいかぬけど、無理して買えない値段ではない。

 内容も幅広い。応用数学にも目配りされている。「ファインマン経路積分」「マックスウェル方程式」「重力場の方程式」などが含まれている。
 和算家の名前も関孝和、安藤直円、松永良弼などの業績がニュートンライプニッツと並んでいる。
 

岩波 数学入門辞典

岩波 数学入門辞典