下平和夫の和算史で和田寧の業績を紹介している。関孝和の弟子、松永良弼の系列に安島直円がおり、彼は共通接線を利用して円を内外接させる「類円術」を開発した。
その弟子が和田寧(1787-1840)だ。播州三日月藩士であった。多重積分法を完成、定積分表を公刊したのが最大の業績という。
和田の見つけた変な曲線が「異円」だ。長方形に内接した楕円を考える。
その楕円から生成されるのだ。下図を見てほしい。
長方形(高さ2b、幅2a)に内接する楕円と底辺を共有し、頂点が楕円のy軸上にある二等辺三角形(ピンク)を考える。
y軸上の点Oからx軸に平行な線を考え、その長方形との交わりをT、楕円との交わりをQとする。
二等辺三角形との交点はSとし、OS:OP=OT:OQを満たす点「P」の軌跡を求めよ。
y軸上でOがbから−bまで動けば、和田寧の「異円」となる。
この形状は解析幾何学の標準的書籍では見かけない。
よって、和田寧の「玉ねぎ」といってもいいだろう。
この異円の式は上記の長方形(高さ2b、幅2a)とその内接楕円からこうだ。
念の為に、楕円や長方形との関係を示しておく(a=2、b=1のケース)
はて、面積はどうなるのだろう。
【参考資料】
- 作者: 下平和夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/08/11
- メディア: 文庫
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