3次元における下式で表される超-球の体積を考えてみた。超-球と題しても四次元空間を扱うわけではない。4次式の球対称な3次元空間内の形状を垣間見るだけである。
球の場合は2次の式になるが、ここでは4次の式である。この体積はどんな値になるか、知りたくてたまらない、そういう奇特な人向けに計算してみた。比較的に単純な表式であるが故に気になるのだ。
形状はこうなる。やや立方体に近くなるのは想定内であろう。
その体積の計算は球座標に変換しても上手くいかない。3次元の定積分を地道にやるしかない。
具体的には、zを固定した断面積を算出する(これは楕円積分の登場になる)それをz軸方向で-aからaで積分するという古典的なやり方で計算するのであります。
半径に相当するサイズをaとすると、超-球の体積は下式になる。
その係数はどんな値になるか。ガンマ関数の性質を使い変形したものは、
このEllipticKは第二種の楕円積分であり、GammaはΓ(ガンマ)関数である。
この係数はおおよそ6.48199になり立方体の8より低く、球の4 π/3=4.18879よりは大きい。かなり立方体の体積に近くなっているということだ。
One more thing
オイラーの予想に対する反例としてエルキースの解を引用しておこう。
2682440^4 + 15365639^4 + 18796760^4=180630077292169281088848499041
20615673^4=180630077292169281088848499041
2682440^4 + 15365639^4 + 18796760^4=20615673^4であるからには、上記の超-球上の有理点が他にもあるということであろう。
オイラーの予想はフェルマーの定理の拡張版だったが反例が幾つか発見されたためにお蔵入りになったのであります。エルキースの例は楕円曲線から導出されてます。
エルキースの点を超ー球にマップしてみよう。
まず、上述の超-球
この図の超-球面の上に赤い点を置く。
座標でいうと(2682440、 15365639、 18796760)がエルキースの解に相当するわけである。
なんとなく、他にも有理点がありそうな気分になる。
誰か計算してみないか?
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