高木関数やワイエルシュトラス関数のような連続であるけれど微分不可能の曲線を立体に適用してみよう。
ワイエルシュトラス関数でトライするといっても、もちろん、そんな極限はコンピュータでは扱えるわけではない。無限は扱えないので、その立体の模倣となる次第。
Θをこの式で定義します。
aは正であれば良いでしょう。nは無限であれば微分不可能だが有限項でガマンする。eは楕円の偏心率であります。以下、0.7とします。
zはz軸での値である。
構想的にはXY平面上の楕円をその平面内で回転させる。その回転角Θが上の式(ワイエルシュトラス関数的)で表現されるというものだ。回転角Θがzにつれて激しく震えるのです。
この震える楕円体の媒介変数表示は下式となるでしょう。tを0から2πまで動かせば楕円になります。
これを限定された数値で描画してみましょうか。n=3、a=1でzを0から0.2まで動かしたものです。たった三項でこれだけ楕円は揺らぎます。
さらに数字を拡大してみます。
n=5、a=1でzを0から1までです。高さ1の楕円柱もどきですが、表面はザラザラなのでしょうね。解像度を細かくしても状況はわかりません。
この時の楕円の震えΘはzに対して下図になります。
tを0からπ/100に限定して、nを20まで増やしてみよう。楕円の200分の1しか描かないのです。Θが振り切っているので楕円が存在しているように見えます。
自分の非力なマシンでの描画能力ではこうなってしまうのであります。
まるで、ホルバインの絵画『大使たち』から抜け出したようでもある。
三角形で同じようにΘを設定して計算を実施したものをオマケにつけよう。ここはzを離散的にしてある。200枚の三角形がある。
さてもさても、そうではあるけれど、こんなに振動するなら楕円ではなく、円柱状に見えなくてはならないのでは、という注意が寄せられた。それはそうだが、計算ソフトの限界で平均形状しか算出していないのではないだろうか? ちょっと謎ではある。
【関連資料】
このようなエッシャー風の不可能な立体も面白いが、表面が有り得ない立体もいいものだ。
- 作者: アル・セッケル,内藤憲吾
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