不等式の領域でフラクタルデザインを視る

 不等式の領域は二つの関数の差分などで遭遇する。下図のハッチングが典型例だ。

 

f:id:Hyperion64:20210101113907j:plain

Cos[9 x] - Cos[4 x]/3とSin[7 x] - Sin[4 x]/5

もう少々、手の込んだ不等式の領域を求めたいというニーズが世の中にある(例外的なニーズだろうけれど)

 そうなると複素数と関数入れ子に助けを求めなければならないのが、世の定めだ。

はじめに、原点に孤立特異点(singularity)をもつ例を示します。

f:id:Hyperion64:20210101114422j:plain

Abs[Exp[1/(x + I y)^2] - 1] < 1

 原点で何やら不穏な無秩序が発生しているのが、観測できる。不等式でかなり入り組んだ領域を表現できてはいるようだ。

 数理図象学的な幽玄さがないと一言ある貴兄には、次のイメージを提示しておきます。

f:id:Hyperion64:20210101115135j:plain

Abs[Sin[Sin[Sin[Sin[Sin[Sin[Sin[(x + I y)]/(x + I y)^2]]]]]]] < 1

 そこここにマンデルブロー集合の萌芽がみられる。

まことに元旦にふさわしい数理図象的な風景ではなかろうか。