三角関数というのは素性がきわめていい。関数の素性がいいとは計算速度が早くでき、異常な挙動をしない。性格的に安定しているのでいろんな利用シーンで活躍中であるということ。
なもので、このブログで報告するような不審なパターンは、物珍しい。
数理科学史でも三角関数は人類の科学技術に忠犬のごとくに尽くしている。三角関数をここまで手懐けたのはイスラム科学の流れなのだが、それを解析学のなかで特別な道具に仕立てたのは、17世紀の西洋数学者たちであろう。
三角関数がなければ測量から情報通信まで全てのインフラを成立させる科学技術理論は無いも同然になろう。
物理科学への応用という意味で、とくに変人でもあるフーリエを追想するのもいい。「変人」といったのは彼の「エジプト的高温主義」を指す。
ナポレオンに従ってエジプト遠征した名残りか、室内の温度を高くして研究していたというのを酒井 伝六の『エジプト学夜話』で記憶しているからだ。この優秀な行政官にして数学者は、エジプト並に暑くないと研究できない体質になったのだ!
かくて、熱伝導方程式の解は高温な部屋から生まれた。
本題に戻ると上記のヘニャヘニャパターンは下式から生み出されてたことを告白しておこう。
Cos(y Cos(x) - x Sin(y) + x Cos(y) - y Sin(x))
好評(?)を期待して簡単なアニメも製作中である。
→連作アニメ「ヘニャヘニャ」
【歴史的参考資料】
この本にあるフーリエは「エジプト的高温主義」のせいで、熱への三角関数の応用を思いついた、というのは出来過ぎた伝説であろう。偉いけど愉快な人物ではあります。
- 作者: 酒井伝六
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 1997/09
- メディア: 単行本
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初等レベルから丹念に三角関数を解説していって、ついにはフーリエ級数に至るロングセラー。正体不明のグループ、ヒッポファミリークラブによる三角関数の追っかけ本である。
- 作者: トランスナショナル・カレッジ・オブ・レッ
- 出版社/メーカー: 言語交流研究所ヒッポファミリー
- 発売日: 2013/07
- メディア: 単行本
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総合的にフーリエ級数の応用を理解したいのなら上下二巻ものの決定版。あまり評判は良くないようだが自分的にはこうした博物学的数学書は好みである。
- 作者: T.W.ケルナー,T.W. K¨orner,高橋陽一郎
- 出版社/メーカー: 朝倉書店
- 発売日: 1996/08
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