二進法表現による素数とメルセンヌ素数

 素数の二進法表現の応用例をひとつ思いついた。
 まず、素数の二進法表現での回文パターンを考えよう。回文パターンとは逆さまにしても同じパターンになる素数である。

(11)2は回文素数である。

(101)2も回文素数である。

 ところで、メルセンヌ素数は2^p-1形式である素数あり、二進法表現では回文素数になる。(11)2や(111)2などはメルセンヌ素数である。

 昨日の素数タワーでメルセンヌ素数がどう出現するかをチェックしてみよう。ただし、今日の素数は回文素数だけをとりあげる。
 10000個の素数で79個の回文素数があった。十進法ではこうなるが、へんてつもない素数の集まりのように見える。

3, 5, 7, 17, 31, 73, 107, 127, 257, 313, 443, 1193, 1453, 1571, 1619, 1787, 1831, 1879, 4889, 5113, 5189, 5557, 5869, 5981, 6211, 6827, 7607, 7759, 7919, 8191, 17377, 18097, 18289, 19433, 19609, 19801, 21157, 22541, 22669, 22861, 23581, 24029, 25747, 25939, 27179, 27803, 28123, 28219, 28807, 29671, 30391, 31183, 31727, 65537, 70289, 71633, 72817, 74377, 75721, 77801, 77849, 79193, 81017, 83269, 83653, 85093, 85733, 86293, 86677, 88117, 92461, 95581, 96221, 97213, 98563, 98947, 100291, 101027, 104147


 それをタワー表示したのが下図である。


 回文素数は比較的簡単に発見できる。
 赤字はメルセンヌ素数が現れている場所だ。素数の桁数が増える部分に出現しているのは当然だろう。どの桁数変化でもメルセンヌ素数になるわけではない。
 この階高=桁数の変化を解析するとメルセンヌ素数の出現頻度を正確に推測できるようになるのではないか?


【追記】50000個までの素数での2進法回文素数の可視化版。□は「0」、■は「1」である。4時間がかりの計算だったが、メルセンヌ素数(すべて青四角)は5個しかない。


もう少々わかりやすいものの白黒メッシュ版

【参考資料】
 ウエルズの本でも「回文素数」は扱っているが、十進法でのケースのみだ。

プライムナンバーズ ―魅惑的で楽しい素数の事典 (O’Reilly math series)

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