電子政府待望論

 政府・官公庁のスリム化&効率化は電子政府の実現でかなり促進されるはずだ。国民に対する末端サービスの担当がもっとも人員と場所を占めている。しかも、非効率このうえない。
 役所は間接業務への予算と人員があまりに多すぎる。しかもサービスは旧態依然。
 土日祭日オープンはもとより24時間対応などは、夢のまた夢。しかもちょっと複雑な要件だとたらい回しにされる。
 窓口系のサービスは大多数がWebに移されれるべきであろう。そのために問題の多い戸籍制は速やかに国民IDに移し替えるがよい(法制度の改革が必要だろうけど)
webサービスのようなDoItYourself原理を導入しないのはどうしてなのだろうか?
 これには反対勢力があるからだ。人員を減らすことが即サービスの質を減らすことという思い込みがある。役所自体がなにも生産していないコストセンターだという常識が通用しないのだ。
当然、Web化して国民IDを配布したところでデジタルデバイドへの配慮などがあるだろう。そこに若干の人員移動をすればいい。今のような単純な事務処理の役人をたくさん雇用することは無駄だ、論外だ。
 そうだ。余った人員・予算は医療・教育・福祉にまわすべし。
こうすれば国家予算・地方自治体予算の4割はもっと有効活用できるはずだ。

 国民IDを税務、教育、医療、旅行、不動産所有、交通・安全・運輸、福祉、介護に横串で使えるようにすれば、どれほど無駄な待ち時間、重複業務、申請に継ぐ申請などから解放されることか。ところが、全部タテ割りで「国民」主体ではなく、物件か案件主体で処理されているのだ。
 なんとかならないのだろうか。なんとかしてください。いや、何とかしなければ。
 この重荷となった役所という国民の負荷を取り除くのは、みんなの望みだし、みんなで考え、みんなで実現すべきことなのだ。
 電子政府は権力の象徴である役所の立派な建造物を不要にする。役所の建てものなんかより、老朽化してきている上下水道、道路、橋梁、港湾、防災施設にお金を回すべきなのだ。権力の象徴がなくなれば官僚主義も弱体化しよう。

 そういう意味でクラウドはいいキッカケだと思う。
データセンターはシッカリとした外部機関で受託すべきだ(民間でもいいが複数の企業に参加させるべきであろう)。そこが政府自治体の業務サービスをすべて請け負う。
 電子政府は民主主義を格段に効率化するだけではない。国民の危難に迅速に応答する。災害対応、景気対策国難対応などコンティンジェンシーに即座に応じることができる。*1 
 今こそ政体を電子的に抜本的に見なおして、真の政策エリートとクラウドデータセンターからなるスモール政府&厚生的政治を実現すべきなのだ。
 よりdeepな「電子的日本改造法案大綱」を求むだ。

*1:ネットワークインフラ自体壊れたらどうなるかは考慮しなけりゃならないけど