セキュリティをめぐる攻防はサイバーウォーズとも称されるようだ。
そして、このサイバーウォーズはシンボル操作による戦いであると言うことも許されよう。
以下、比喩的に考えてみよう。
先端的な技術は魔法に似ると指摘したのはアーサー・C・クラークであるが、ネットの世界は魔術的であることを何となく理解してもらいたいのだ。
インターネットは敵のIT拠点に通じる潜入パスであり、IT拠点を占拠もしくは動作不能、機能不全にすれば敵のインテリジェントはたちまち低下してしまう。それは爆発や殺し合いなしの戦闘だ。
これは、さながら呪術師が敵陣にめがけて呪いをかける状況に似ている。
というか、そっくりである。
どこまで似ているかを整理してみる。
- 相手の「名前とパスワード」を知ることが第一歩である。名前の秘密だ。
- 相手の動きを封じ込める無数のゾンビ(コンピュータ)
- ファイヤーウォールは結界だ
- 敵のファイル(情報源)を呼び寄せる召喚テクニック
- ボットは式神だ。cookiesは呪詛の残骸だ。
- ウィルスは呪いの病魔であり、マルウェアすなわち悪意のある呪文である。さながら黒魔術大系の一部だ。
- セキュリティポリシーはそれに違反すると懲戒解雇を含めた厳しい掟にさらさられている。これをTABOO(タブー)と呼ぶ。
これらはプログラム言語という魔的な言語体系に属しているのではないだろうか。呪詛により相手のマシン(というかパワー)を自分の支配下にしてしまうのは、面白いほど呪術的な行為に類似している。
一連のシンボル大系とそのやりとりによって、ネットは支配されていかのようだ。ベイトソンが考えたような世界の再魔術化が始まろうとしているのだろうか?

- 作者: モリス・バーマン,柴田元幸
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この他にも、ブードゥー教との直喩などを考えれば、いろいろと面白い表現がかなえられそうだ。PCがゾンビ化するとは最近の流行語だが、ネットバカ自体もゾンビみたいなものだろう。
セキュリティに関わるプログラム+コマンド体系に魔法系のRPGのGUIを重ねあわせるとかなり面白いんじゃないかな。
世俗的なものが聖なるものを排除してきた近代が、ネットのなかに呪術性を蘇らせていると、仮にそう考えればけっこう愉しめるのだ。