お爺ちゃんの教訓のような見出しであります。次の定積分を見られよ。
ベータ関数に似ているが、それよりも対称的といえなくもない。原点を挟んで-1から1までを積分範囲にしているし、xを含んでいる。
さらにα=β=γ=nとしてやろう。
この定積分はnが自然数であると有理数となる。
nが偶数のケースを計算すると。
n=2 16/105
n=4 256/15015
n=6 2048/969969
n=8 65536/239028075
n=10 524288/14325749295
分子は2^kとなっているのはわかる。その分母の素因数分解が面白いのである。
上からn=2,4,6,8,10,12,14の場合の分母の素因数分解であります。
素数がほぼ勢揃いである。しかるにすべての素数が揃っているわけではない。幾人かメンツが欠けているのだ。
対称的な積分なのに、しかも分子が2のべき乗なのに、分母にあるはずの素数リストが欠けているのだ。この不規則さには何かウラがあるに違いない(別途、数値実験をレポートする)
その欠番の規則性は置いておこう。
ネクストステップでは、定積分をn=2m(偶数)に限定して解析的な結果を出してみよう。
偶関数であるので変数変換すると見知った形態になるのだ。
これはベータ関数に他ならない。
よって、定積分の値は解析的にガンマ関数でまとまる。
つまりは、先程の分母に出てくる素数の揃い方はこの解析式に含まれることにはなる。分母と分子にあるガンマ関数が素数に関わる定理で直接的に登場するのはレアなような気もするけど、事実は事実だ。しかも1/2という因子があったりするのが、くせ者だ。
- 作者: エミールアルティン,Emile Artin,上野健爾
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