アルベロスの三次元化

 アルキメデス幾何学的な手すさびであった「アルベロス」。これについては日本でも成書が出て、数学ファンには奥行きの深さが定着した。

 ここではその手すさびにもう一つ手垢をつけよう。
一般にはアルベロスは下のような4円の関係となる。右側の宙に浮いた小さな円が後で追加されることになる。

 x軸上の中心を置く、3円を考える。外側の円は原点に中心がある半径b+cの大きな円、それとx軸上に中心がある半径bと半径cの小さな円二つがあり、それらはx軸上で外接する。大きな円に二つの円は内接している。
 この時、第4の円が存在し、それらは小さな円に外接し、大きな円に内接する。その中心の座標と半径を示しておこう。


 自分のオマケは3次元化である。これらの4つの円をx軸を軸に360度回転させる。

4番めの円はトーラスになる。薄く描かれているのが大きな円であり、他の3Dオブジェクトが内接している模樣をあらわす。

 ついで、パップス・チェーンを追加するのだ。
 古代ギリシア幾何学パップスによる円の連鎖の一例を示す。彼は「古代の定理」と呼んでいたそうである。
 これをx軸に関して回転させれば、トーラスがたくさん巻き付くことになろう。


てすさびにパップス・チェーンを三次元化して、球の連鎖で表示する。


 トーラス化したものは下図でありますな。

 あまり美しくはないが試作品であります。トーラスがパップスの円連鎖の回転体である。互いに接し合っているのがミソでありますな。