この曲線の由来を説いてゆこう。
ある意味、なんの変哲もない下式から描画された媒介変数の曲線である。
実はこれ、球面上の曲線から射影されてきたものなのである。元はといえば、単位球の表面に描かれた曲線である。
その曲線が表題と関係してくる。
3つの球とは下図のようなものである。
図のように単位球(後のために半径r1とする)の中心を原点に置いておこう。その上、z軸上に半径r2の球を固定する。そして、半径r3の球がこの二つの球面に接しながら回転する、その接点の単位球上の軌跡である。
その軌跡の式はこうなる。ここで、θはr2の球の中心点の位置に関する変数である(z軸周りの回転角)
だがなぜ、こんな複雑な曲線になるのだろうか?
お気づきのことと思うが、半径が固定とすると3つの球とその軌跡の(単位球面)曲線は下図となる。単位球は一番小さな球である。大きな球はr3=4としている。
ご覧のように単純な円軌道である。
では上の軌跡は何なのだろうか?
r2の球の半径を下式で連続的に変化させたのであります。
さて、次なる課題はz軸上の球(半径=r3)を同時に動かす場合に、どのような軌跡を単位球面上に描くかである。
管見によればそうした作図例はネット上には存在しないようなので、計算価値はありそうである。
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