もっサイクロイド

 木更津の踊りではないが、もっサイクロイドなるものを簡潔明瞭に定義シてみたいのです。
 なぜモッサイか?
 円の半径が変化しながら回転するからである(回答には程遠いですが)

百聞は一見にしかず。
 r=(1-Cos 2θ)^2 で半径が変化しつつ、x軸上を回転するアニメを見て頂く。θは円の中心の回転角である。

 こんな他愛ないアニメでも製作に2時間かけた。

サイクロイド的な軌跡を赤線で示した。円の運動は等間隔で重ね書きしている。

 上のイメージはネット史上初公開であり、たぶん史上初めての描画である可能性が高い。こんな単純な曲線ですら人類初お目見えとなるのが、解析幾何学の妙味だろう。
 いろいろな「もっサイクロイド」を描画できるのは自明であろう。
この式を表示しておくので、みんなで「もっサイクロイド」を遊んでみてほしい。
 半径rに関する積分が入ること以外はシンプルな式である。r>=0であること。

 お次は、r=(θ)^2 のケースで2回転してみたケースの描画だ。

 この時の、円の転がりアニメを計算出力しておこう。

 ビザールな曲線となったr=Exp(Sin θ)の計算結果はこれである。初お目見え。

 ここでの教訓はこうだ。物理的な前提、もっサイクロイドでは直線上を滑りなしに転がること、があるとそれなりに解釈可能な曲線が生じる。出鱈目な関数の組み合わせはそれこそ鑑賞に耐えるものではないのだ。

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【数学史的参考書】

 ホイヘンスパスカルサイクロイドの近代的研究の先駆者だろう。
バスカル論集の「回転体小論」がそれに該当する。訳者の原 亨吉氏は少し前に他界されたが、本書に関わる分野の業績で学士院賞を受けている。

パスカル 数学論文集 (ちくま学芸文庫)

パスカル 数学論文集 (ちくま学芸文庫)



 ホイヘンスの方は訳本はないが、同じちくま学芸文庫の数学史本で論究されている。ホイヘンスはその等時性をもとにサイクロイド時計なるものを提案した。こちらは新刊本はなくセコハンのみだが値段が高いですね。一部の好学者の垂涎の的なのでしょうか。

歴史の中の数学 (ちくま学芸文庫)

歴史の中の数学 (ちくま学芸文庫)