続 とある数列の積の行方

 前回の継続である。
数列の積を複素数に拡張する。ここでは自然数の逆数に虚数 I を掛けて生成する。

 調和数列的で優美な積の数列である。

これはある優美な曲線に接近する。それを見てゆく。複素数で考える。n=1の時は1-iである。n=2の時は(1-i)(1-i/2)=1/2-3i/2となるだろう。これを連綿と続けるのである。

 複素平面で最初の2000点をプロットして連結しよう。最初の点は{1,−I}となるので右下が始点となる。

 お気づきのように円に接近するのである。その半径rは解析的に算出できるのである。

 なかなか味わいのある結果ではなかろうか。調和数列的な複素数の積が円のような軌跡をえがくというのは。

 N=10000までの計算結果を追加しておきました。

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クラインの名著は複素数世界を大胆に探求したドイツ数学者の列伝でもある。

クライン:19世紀の数学

クライン:19世紀の数学