楕円上を転がる円の軌跡

 円の外周を転がる円の軌跡は外サイクロイド(エピサイクロイド)として大学の授業でも取り上げられることがある。ここでは、楕円の外周を転がるとどうなるかをトライしてみた。
 楕円は原点に中心があり、a=1,b=(1-e^2)^1/2とする。偏心率eとなる。その楕円の外部を、x=1,y=0から半径rの円が反時計回りに転がるとしよう。
 円と楕円の接点の座標は角度θを使うと
  

円の中心の座標は次のように解ける。

 それと必要になるのが、円が何度回転したかという角φであるが、楕円の周長の式を使えばθでこのように表記できる。

 以上で準備が整ったので、最初に楕円と接していた円の点の座標(xc,yc)が算出される。


 かなり、面倒な式である。そのうえ、第二種楕円積分の項 EllipticE[x, m]があるので、大学の教養課程では演習問題にもならないか。
(上式は、簡略化可能であるので腕に覚えのある読者、試みられよ)

 いつものように結果の正しさは数値計算をして図示して確認する。
e=0.9、円の半径1/5のケース

e=0.5、円の半径1/2のケース

さらに楕円のまわりを8回転させてみる。

e=1/3、円の半径1/3のケース

さらに16回転させる。

e=1/Root2、円の半径1/2のケース

e=1/Root2、円の半径10のケース

 どうでしょう?これだけもっともらしく図化できれば、上式は間違ってはいないでしょう。
 もう飽きたかもしれませんが、最後に2ケース。

e=1/Root2、円の半径1のケースの32回転

e=1/Root2、円の半径10のケースの32回転