連分数と長方形の分割

 自然数の辺からなる長方形を正方形に自動分割する。連分数はそれに役立つことを見ておこう。
横17×縦38の長方形を正方形に分割した例が下図となる。

10個の正方形の辺と個数は {17,17,4,4,4,4,1,1,1,1}であります。辺の長さ17が二個、4が4個、1が4個と読みます。
 慧眼なる読者がお気づきのように17,4,1はユークリッドの互除法で生じる数であります。
つまり、連分数の数を出すのと同じロジックの応用であるということです。


 横172×縦389では{172, 172, 45, 45, 45, 37, 8, 8, 8, 8, 5, 3, 2, 1, 1}の15個の正方形

 この分割法は大きい正方形でなるべく覆い尽くそうという精神でのはめ込み法です。

 横2378×縦3363では、{2378, 985, 985, 408, 408, 169, 169, 70, 70, 29, 29, 12, 12, 5, 5, 2, 2, 1, 1}の13個の正方形です。
 

 この数、3363/2378=1.414213624894は2の平方根の近似値です。
 つまり、適当にスケーリングすると無理数の長方形の有理正方形での分割になりうるわけであります。

 連分数での長方形の分割は正方形タイルをできるだけ少ない枚数で覆い尽くす方法なのでありましょう。
 できるだけ少ない種類の正方形で枚数を厭わないというのであれば、辺=1のものがあれば十分ですね。つまりは、二辺の最大公約数の辺の正方形だけでも良いわけでしょう。


【参考】山田修司氏のコードを応用しました。バランスのとれた良書であります。

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