中心の単位円を囲むn個の等半径の円の中心は正n角形となる。
さて、今回のテーマは正n角形を円が最大に埋める比率=充填率がnでどのように変わるか、であります。
単位円を囲むn個の円がすき間なく外接する時、その円の半径は次式となります。
単位円の面積と外接円の正n角形に含まれる部分の面積を足して、それを正n角形の面積で除したものが、ここでの充填率sの定義ですね。
これはnでどのように変化するのでありましょうや?
nを3から24まで変化させてみると下に凸の曲線となります。
n=6で最低の充填率となり、nを大きくすると1に近づきます。4でも5でもなく6の時に最低となるのは意に反しますが、しょうがないですねえ。
こういう配置です。円と円の隙間が広いんですね。単位円と外接円は同じサイズです。半径の比が、これ以外に整数となることはありません。
さて、この隙間に内接する円を導入します。
その半径は単純計算でこうなります。
以前の正方形と円に挟まれた内接円の式よりかなりシンプルです。
この内接円を組み込むと充填率はどうなるかを計算しますとグラフのようになりますな。
前のケースと比較しましょうか。
新しく内接円を加えたNEWが充填率は全般的にアップします。予想通りというかn=6がやはり最低の充填率となるようですわ。
両ケースでn=3は充填率が悪くないのです。nが20超えないとn=3の充填率を凌駕しないのですよ。つまり円柱素材をたくさん埋め込むには3のようなやり方が一番経済的となります。
3であれば空間全体で反復できるのですから。
参考のために幾つかのケースを図示しておきます。こうすると計算ミスのチェックになるのですよ。
中心の円のサイズは1で固定です。
このスタディで出てきた副産物は、外接円と内接円の半径の比の挙動です。
nを大きすると外接円が小さくなり、それに挟まれる内接円も小さくなりますが、実はある一定の比率に収束するようです。
半径の比の式はこうなります。
その極限の比率が1/4であるのはすぐにわかります。n=3の時に最小で、あとは緩やかに増大してゆくわけですね。
原子炉における燃料棒と制御棒の配置はn=6に近いものだと想像されます。
- 作者: Peter Frankl,前原濶
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