がんの罹患確率は年齢とともに増大する

 今や国民の3人に一人はがんでお亡くなりになる。脳溢血や心臓疾患などよりははるかに脅威な疾病となった。しかも、ひとたび罹患すると病患部を除去しても再発の心配がつきまとう。
 かの立花隆氏も膀胱がんになった。外科手術により除去したが、彼は自分の仕事の総決算を始めている。
 がん難民という言葉もあり、再発後のさすらいは本人にも周囲にも大きな苦難の連続となるのだ。誰しも避けたい病気だが、そうはいかないのかもしれない。

 高齢者のがん罹患の率は非常に増大していることを明示しておこう。診療技術や延命技術の進歩はがんの罹患数の増大をもたらしたといえるのかもしれない。
国立がんセンターの統計情報をグラフ化したものである。
横軸は西暦で1975年から2005年までだ。縦軸は5歳刻みの年齢だ。
 青は低い罹患率(一年以内にガンになる確率みたいなもの)で、緑は高い罹患率だ。
2005年で高齢者になると2.5%くらいにジワジワと上昇してくるのが見て取れる。年々、高齢者ががんに罹る可能性が高くなっているのである。


繰り返すが、このチャートから分かるのは、高齢者ほどガンに罹る率が高まっていることである。老人はガンになりにくいイメージは古いもの、30年前のものである。かといってがんが強力になってきているのではない。他の死因が下がって相対的に上昇した、そういう面がある。
だが、老人は要注意なのである。